"つくりたいものは以外とつくれない"の話
こんにちは,どらです.
今日は月曜日,平日ですが親族の結婚式がありお休みを頂きました.
たまには予定を入れずに心地よいBGMと柔らかい椅子の揃ったカフェでゆっくりする有給休暇もいいな~と感じております.おすすめです.
赴任したぞ
僕がnoteで書くのは大概仕事の話(ポエム)か,
自分のための技術アウトプット.
今回も例外なく仕事のことを書き連ねます.
新入社員研修も終わり,無事に配属先に赴任しました.
私の配属先は画像処理技術の開発を行っている部門です.
入社一年目は技術の基礎固めのために,参考書をドッサリと用意され「これ来週までに終わらせて」という指示がやってくると思っていましたが,僕の場合は配属先の人手不足という状況もあり,あるプロジェクトのメイン担当者として早速仕事らしいことを始めることになりました.
今回はその中で感じたことを書きます.
つくりたいものがつくれない
僕のいる部署はB to Bで仕事をしているので,僕の配属された課にも例外なく色々な企業様からのご依頼がやってきます.
端的にいうと企業様のもつ問題を解決するようなシステムをつくることがミッションです.
その中で僕が感じたのは"つくりたいものは以外とつくれない"ということです.
このように感じた理由は2つあります.
一つ目はスピードが遅いことです.
このパターンは「最先端の技術を使って新しいシステムをつくりたい」というような先行開発型の案件のときに感じました.
そのような案件が完了するまでの流れは
➀システムの仕様策定
②技術選定
③選定技術の評価
④ソフト + ハード実装
⑤プロダクトのリリース
となります.
このうち選定技術の評価におよそ半年以上もかかる(実際にかかってしまっている)ような現実がどうやら現場にあるようです.
なぜこんなことになるのかというと
・ゴールの見えない開発
・技術発展の高速化
という2つの事柄があるではないかと思っています.
前者はステップ➀の作りこみが曖昧であるところが大きいです.
先行開発型の案件だと,「できるだけすごいものをつくりたい」というのが,基本的なゴールになります.そのためシステムにどのくらいの機能,性能を求めたいのかハッキリしておらず,開発途中で「やっぱりこれもしたい」など色々と要望がでてきて,その度に評価をしなおすという出戻りが発生しがちです.
更にそこに後者が加わると最悪です.
最近はAIがシステムに組み込まれることも多くなってきました.
AI技術は世界的なブームにより世界トップが毎日切り替わるほど,技術の進化が速いです.
"やっぱりこれもしたい"と評価をし直している間に,採用している技術よりも更に適当な技術が生まれ,そんなものが世にあるらしいということがわかった結果,ゼロから全ての評価をやり直すということになります.
つまり,今までの評価につかった時間とお金が無駄になります.
こんなことを繰り返していると,いつか予算,納期などの理由で妥協せざるを得ないことは明白で,プロダクトリリース時には業界人が「今更なんでこんな技術つかっているの?」と疑問をもつようなプロダクトになっているかもしれません.
本来は「最新技術をつかったすごいものがつくりたい」はずだったのに,結果的に古い技術をつかったものが出来上がる=つくりたいものがつくれていないという構図です.(それで,リリース時点において,すごいものができていれば問題ないのですが)
ひとまずゴールを決めて,アジャイルで形つくってしまえばいいのにと思いますが,そうもいかない事情があるのかもしれません.
2つ目は問題の解決に向かない,本質を捉えてない要望がくることです.
こちらのパターンは先ほどの例とはちがって,解決する問題が明確な案件のときに感じました.
ここでは,
つくりたいもの=お客さんの欲しいもの
ではなく
つくりたいもの=お客さんの為になるもの(本質的に課題を解決するもの)
と定義して話を進めます.
本質的でない要望というのは
・低予算,短納期
・世間のアピール
があると思っています.
前者はよく聞く話でしょう.シンプルに問題を解決するためのリソースがきちんと揃っていない状況では本当につくりたいものはつくれません.
後者のほうは,例えば「最近流行りのAIをつかってやってくれ」とか「画像処理でどうにかしてくれ」というような要望があるパターンです.
どう考えても問題解決に適した技術じゃないのに...とモヤモヤしたまま作って,出来上がったものもユーザー目線に立てていないようなものになる可能性が高いです.
ある課題は解決できたとしても,本質的に優れたプロダクトであるかと問われると言い返すことができない.そんな現状はやっぱりつらいですね.
なんでこんなことを思ったのかというと
例えばショッピングモールに置いてあるブランド商品について店員さんから話を聞くと,この商品は〇〇にこだわってつくっているなどの話を聞かせてもらったり,曲をつくるアーティストのインタビューをみても,音の重なりを届けられるように意識しているなんてコメントが見受けられます.
今,僕が作業しているブックカフェの空間も本のレイアウトや座席の配置や,照明の明るさなど,こだわりがあって作られているでしょう.
形はどうであれ,何かを生み出すという作業の中で納得したものをつくれるのっていいなー.作っているときワクワクするよなーと.そんな羨ましさがありました.
自分の意欲を高く保つのって難しいなー.おわり.