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思ったことは片っ端から消えていく

アイデアが浮かぶ。いい言葉が出てくる。伝えたい感情が手のひらに乗る。

でもそれを、その場で表現しなければ、砂のように手のひらから零れ落ちて、気づいたら忘れてしまう。『伝えたかった』と思ったことさえも。


瞬発力が大事なのは、どの業界でも言われていることかもしれないけれど、やっぱりその場で何かをとどめておくことってとてもむずかしいのだ。感情は水のように流れていて、そこにとどまることを知らない。言葉は感情に一番近い服を着せてあげているだけで、感情そのものではない。

私にとっての言葉は、いつも武器であり、盾だ。

誰かを傷つけるために言葉はあるべきではないと思っているけれど、でも誰かの心を深く刺したいとも思っている。出来たら、『抜けないでいてほしい』『その傷は残らないでいてほしい』とさえ思う。


このnoteの前に、私は書きたい何かがあった。
何かの感情をここに記したいと思ったんだ。

その感覚は残っているのに、今では「何を書きたかった」かさえ分からない。それに付随した、ヒリヒリした感情も思い出せない。
でもそのおかげでこのnoteが書けたのだから、私のその時の感情も、書きたかった感覚も、泡沫のように消えてしまったわけではない。記された言葉や書き起こされた文字はその時書きたかったものとはまったく違うけれど、意思や魂を受け継いで、ここにある。
だから、もし、その時思った思いが、片っ端から消えて今はないとしても。あなたが思ったことも私が思ったことも、全部むだになってない。間違ってない。忘れたこともまちがってない。そもそも忘れてない。

君のなかに、ちゃんとあるよ。


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四藤 汐 (Yotsufuji Ushio)
noteを見てくださってありがとう。私の言葉であなたの心が少しでもあたたまったのなら、それ以上に嬉しいことはないです。Twitter(@ushio4222)もよろしくね。