住民票って転出先が決まっていないと出せないって知ってる?
引っ越ししたことある人ならわかると思うが、引っ越しをするときには荷物を運び出すのも大変なんだけど、その他の手続きがえらくめんどくさかったりするんだわ。
ただでさえ道具を厳選することに大変な思いをしているのに、まだなんかあるんかい…。と目が白くなる。
で、特にめんどくさいと感じるのが転出と転入届辺りだろう。
たかだか1枚の紙切れに住所を出すだけなんだけど、なんだかめんどくさいのよ。
しかし、これをやっておかないとそれこそめんどくさい事になってしまう。
ただ、転出届って、ほんとギリギリ出だすとまたえらいことになってしまうのでちょっと余裕を持って出そう。
ところが、である…。
僕はこれから先は拠点を持たず、特にどこか特定の場所にとどまることもなく生活するつもりである。
転出届には「転入先」を記入する必要があるのだ。
つまり、転出する際にはもうすでに引越し先が完全に決まっている必要があるということだ。
つまり、「もう明日からでも転入先の“家”に住めますよ。」と言える状態でこの届けを出すのがベストだと言える、だから、転出届は1ヶ月前など早めに出すことは不可能で、ギリギリ2週間前くらいに出すのが良いのだそうだ。
じゃあ、引越し先が決まっていない場合は出せないということになる。
そうなった場合は仕方なくそのままにしておくか、もしくは、海外に行くなどする場合には「除票」とすることができるのだそうだ。
じゃあ僕みたいな人間はそれでいいんじゃないかと思いきや、除票は海外に行くことや死亡届を出した方のみに適応されるらしく、特に住居を持っていない人には適応できないらしいのだ。
※そのへんはまだまだ詳しくないのだが、なんせ自分から進んで家を“捨てる”人などいないし、旅人になろうとして行動する人はいないものだから、ネットやこういった事態に対応して説明してくれる人はみな、当然どこかに住むだろうという考えで話を進めるため、前例がないか、もしくはそういった制度が無いようだ。
そりゃ、そうだ。
身分を証明するにはまず日本国民であって、国民らしく税金を支払っているということになる。国民の三大義務は「納税、教育、勤労」である。働いて、税金を収めて、日々何かを学ぶことが求められる。子供ができれば学校に通わせる必要があるのだ。
つまり、働かなけりゃいけないし、働きたいなら住まなきゃいけない。住むのなら税金を支払いなさい。というわけである。
住みたくないなら働けないし、働けないと住めないし。といううまいこと循環になっている。
国は人が人らしく生活するのを助ける必要があるが、人がその支援を受けるためには、国のためにお金を生み出す必要があり、そのために働き、働くために住居が必要になってくるのである。
しかし、旅人になるというのはこの流れに逆らうことになる。
転出先がなければ転出届は出せないというのは当然で、身分証明をするためには「住所」が必要になってくる。
住所というのはかなり重要なものなんだと僕ははじめて知った。
住所がないとできないことというのは実はたくさんあって、例えば、何かの資格を取ったり、申請書を出したり、免許証や保険証などの類ももらうことはできない。もちろん借金だってできないし、レンタルビデオ的なもののサービスなども受けられないだろう。病院などもそうだし、あとは海外に行くことや、今は国内で長距離移動する際の公共の乗り物なども身分証などが必要となるため使えない場合があるのだそうだ。
あとは、モノを売ったりするのにも使ったりするよね。身分証明書も必要だし。
よくよく思い返すと、住所を記入する機会って意外とたくさんあったりする。それらのサービスをどうやって受けるのかというところが問題でもある。
いやはや、このへんのシステムってうまくできてるよ。
確かに、人って免許証や保険証を持っていないと、自分が何者なのか証明すらできないし、信頼もしてもらえない。もしかしたら殺人犯かもしれないし、精神病院を抜け出したような人なのかも知れない、指名手配がかかっていたり、もしくは海外からのスパイなのかもしれないのだからな。
自分が誰なのか証明すらできないって大変なことなんだな。