隙を見つける目
ドラゴンボールの悟空に憧れて、悟空の良さについて考えている。
前回は悟空の技の応用力について考えてみた。
悟空は技の応用がかなり効いている。戦い方も自分の戦闘スタイルに合わせたものをチョイスしていて、教えられた技を戦闘の中に組み込んでいくスタイルで成長している。いろんな技を成長するたびに覚えているように思うが、悟空の技は基本的に誰かから教わったもので、オリジナルで考えたものは全くと言ってもいいほど無い。意外にも。
他のみんなは自分で考えたオリジナリティ溢れる様々な技を持っているが、悟空はというと、師匠から教えてもらった技をそのまま使うことを好んでいる。(人に教えてもらう事が好きなのかもしれないな)
じゃあ、“どこに応用力があるのか”というと、そのひとつひとつの“使いどころ”をしっかりと把握して、無駄の無い使い方をしているのだ。
そしてそれを使うのに際し、相手に隙を与えないことだ。(元気玉以外だけど…)
この点で言えばセルとの戦いで、セルゲーム第一回戦でやった「瞬間移動かめはめは」はすごい。。
瞬間移動かめはめはとはこんな感じだった。
遠くからかめはめはの構えをした悟空。両手を揃えて、グッと後方に気を溜め込んだ。
この時セルは地上にいて、悟空は上空に舞空術を使って浮いており、セルを斜めから見下ろしているような角度だった。
それを見て身構えるセル。かなりの勢いのあるかめはめはを受け止めるか、自分も同じような光線技で対抗しようかというところだろう。
「かーめーはーめー……!!!」
さあ来るぞかめはめはだ!という時だ!
悟空は瞬間移動を使ってセルの目の前に現れた!
隙をつかれたセルは「しまった!」という感じだったが、その「しまった!」というセリフも言えないくらいの目の前でかめはめはを放つ悟空。強烈なかめはめはを間近で喰らってしまうセルは上半身が吹き飛んでしまったのだ。
もう少しでやっつけられたのに!というシーンだった。
スーパーサイヤ人に変身と、瞬間移動、そしてかめはめはという技を応用し組み合わせた、かなり上級の攻撃だった。
他のみんなは技を繰り出す時にこういった技の組み合わせでやることはあんまり無いように思う。
そうなると、「技が来る」という事がすぐにわかってしまって身構えられるか避けられてしまうという結果になってしまいかねない。
確かに、クリリンの拡散エネルギー弾も、ヤムチャの操気弾も、ピッコロの魔貫光殺砲、天津飯の気功砲、全て強かったのだが、皆が気を集中して“撃つぞ撃つぞ!”という感じが出まくってて、どの技も避けられてしまう事が多かったのではないかと思う。
その点で考えても、悟空の技は確実に当てていく感じが僕は強いなぁと思うのである。
今回は、「相手の弱点を見つける目」の良さだ。
相手の弱点を攻めるのは酷な話ではあるが、どんな話にもどんな人にも、どんな仕事にもどんなサービスにも「弱点」はある。
戦闘において悟空は相手の弱点を見つける能力が、天界で神様との修行を終えたあたりから著しく長けていたと思う。それ以前にもおもしろおかしく相手の弱点を攻めるのがうまい悟空を見る事ができていたが、オトナになった悟空もそこを見ていておもしろかった。
ベジータとフリーザは強すぎて弱点が見当たらない感じではあったが、それでも悟空なりに弱いところを攻めようとしていたのではないかと思う。たとえば、上記にも挙げたようにセルなんかは、自分に再生能力があるゆえに“多少なり技を食らっても大丈夫だろう”という「隙」があるのを見過ごしていなかったのではないかと思うのだ。
あとはギニュー特戦隊との戦いはおもしろかった。
その時の悟空はもうかなり強くなっていて、強さに差が付いていたために戦闘力の差があったからという事でもあるのだけど、基本的にギニュー特戦隊は戦いのポージングにひと癖あるところから「どうでもいいけど、オメェら油断しすぎじゃねーか?」と言って、ジースの鼻を小突いていた。
リクームも同じように技のポージング中に強烈な一撃を食らって倒れている……。
基本的にもかなりの強さを持っていた彼らだが、ポージングでカッコつけるためか、技を出す瞬間にかなりの隙がある。
たとえばこういう点で言うとセルやフリーザは技を出す時に技の名前を声に出してカッコつけるシーンは少ないが、ギニュー特戦隊は何かとポージングに命を掛けている姿が見受けられる。悟空はそこを彼らの弱点だと見たのだろう。
ギニュー隊長との戦いにおいてもそうだった。かなり強い相手だと見た悟空だったが、ポージングの最中にギニューのマネをしている事から、“ポージングの最中は隙がある”と見た悟空の行動だったのだと思う。
物事にはいろんな弱点があるが、そういう隙を見つける目に優れている悟空は、戦いの「勝ち方」をよく知っているのではないかと思うのだ。
個人的にはギニュー特戦隊は大好き。
すげーなぁ。悟空は!