【FX】ドルが2月以来の大幅上昇→来週は材料難な中さらに加速するのか?
みなさま今週もお疲れ様でした。
【5/8-12まとめ】
<<CPI→PPI通過後の強いドル買い>>
今週のハイライトは2月以来約3ヶ月ぶりのドル大幅上昇(週間)ですね。
順番に見ていきましょう。
まずは水曜のCPIです。
直近の経済データやポジション推移から予想上ブレ思惑がある中での発表となりましたが結果はほぼ予想一致となりまして市場反応は織り込みの剥落からか金利低下のドル安円高となりました。
一方値幅としては大きなものではなく、お祭りと化していた去年のCPI後の値動きと比べるとやはり反応が顕著に小さくなってきていますね。
今後もよっぽどサプライズ性のある結果でない限りは限定的な動きを前提に立ち回っていきます。
次に木曜日の指標発表でPPIやや下ブレ、新規失業保険上ブレといった結果が出まして直後は水曜日同様、金利低下のドル安円高。
しかし流れは続かず金利とドルが反転し始め上昇へ、この動きは金曜引けまで継続することとなりました。
木曜米時間から金曜引けにかけてのドル買いに関しては大きなファンダメンタルズが動いた訳ではない為、いくつか市場が意識したであろう要素を上げておきます。
①地銀警戒一服からの金利上昇
②ミシガン大期待インフレ上ブレ
③FEDボウマン理事のタカ派発言
④木曜新規失業保険の結果が不正で多く見積もられたとマサチューセッツ州が発表
⑤ドル円135円の大きなオプションカット
下記その他の材料です。
・ BOE:利上げ+25bp
・ミシガン大景況感:下ブレ
<<米指標状況>>
◆住宅関連-悪化からやや持ち直し
◆景況感関連-悪化→ミシガン大景況感下ブレ
◆物価関連-減速→CPIとPPIはやや下ブレ、期待インフレ(ミシガン大)上ブレ
◆雇用関連-堅調→新規失業保険は上ブレ
<<要点>>
○金利⬆️小幅上昇:水木に物価指標通過+銀行不安で下げた後引けにかけて反発上昇、短期4%長期3.5%を中値としたレンジ推移が続く
○米株➡️まちまち:方向感なく高値圏レンジ継続、銀行株が弱くメガテックが強い
○原油⬇️下落:月火上昇から水-金下落で70$の節目へ、4週続落
○ドル円⬆️上昇:水曜の下落と金曜の上昇が目を引く、金曜の上昇は強いドル買いが要因
○ドル⬆️上昇:2月以来の強い週間上昇、木金で大きな買いが入り複数のテクニカルをブレイク
○円⬆️上昇:銀行不安の再燃もありドル以外の通貨に対しては買われる
【来週に向けて】
<<ドル高の継続具合に注目>>
来週はメインイベント言えるほどの発表はありませんが、注目しておきたいのは火曜の米小売売上高と金曜パウエル議長の発言です。
またパウエル議長の発言以外にも複数人の米高官発言が予定されていますので抑えておきたいところ。
小売売上高は前月からの持ち直しが予想されており、予想値付近や上振れではドル高が加速する要因となりそうです。
パウエル発言は内容によって無風もあり得ますが、利上げ姿勢・銀行不安・債務上限問題あたりに関する発言があれば一定の反応はありそうです。
また来週は指標発表で動かずともテクニカル要因でドル高が進行する可能性もあり、とにかくドルの値動きに集中していきたいと考えています。
下記その他注目イベントです。
・月曜-NY景況感
・木曜- PH景況感
・金曜-全国CPI
<<金利>>
○今週
水木に物価指標通過+銀行不安で下げた後金曜引けにかけて反発上昇、週間で大きな動きにはなりませんでした。
大枠では3月中旬以降、短期3.75%-4.25%長期3.3%-3.6%でのレンジ推移となっており今週は中値付近が意識された動きでした。
○来週
目先はレンジ中値の短期4%長期3.45%での攻防を注視していきます。
また銀行不安と債務上限問題は5月FOMCでパウエル議長からも言及がありましたが、金利上昇にとっては重しとなっていきそうです。
<<米株>>
○今週
方向感なく高値圏レンジ継続、各指数まちまちなパフォーマンスとなりましたがそもそもの値幅が中々出て来ませんね。
基調としては銀行株が弱くメガテックが強い傾向が継続しています。
FEDの利上げ終了間近ということで上目線のプレイヤーがジワジワ増えてきている印象を受けます。
これを強く否定する指標結果が出ない限りは堅調な動きが続きそうですが現水準は真上のレジスタンスも強く身動きが取れなくなっていますね。
対局上昇トレンド入りを考える向きも出てきましたが、下落トレンドを脱した後も継続上昇していくにはインフレ再燃、企業業績悪化、リセッションなどの懸念材料をこなしていく必要がありまだまだ道のりは険しいと捉えています。
○来週
テクニカル的には今週も強い状況で引けていますがS&P500での4,200が本当に重い水準となってきています。
堅調目線ではあるのですが4,050-4,100を明確に割れてくると、直近のドル高とも株安ドル高で整合性が取れ同意ずく可能性もイメージしています。
長期では早くともインフレ継続低下→米金利ターミナルレート到達までは反発上昇を挟みながら下値を探っていく下落トレンドが依然メインシナリオです。
ただ物価指標が着実に低下してきておりますので徐々に長期で上昇地合いになっていくイメージも膨らませていきます。
(リセッション懸念が本格化した場合は利上げ終了でも上値重いシナリオも)
<<原油>>
○今週
月火上昇から水-金下落で70$の節目まで戻すといった流れでした。
週足では4週続落。
水色のレンジ下限73$付近がレジスタンスとなり売りが入った形ですね。
○来週
短期的には70$のサポートと74$付近のレジスタンスでの反応を確認していきたいところですね。
4月OPEC+減産決定はもちろん事実として価格上昇要因ですが、需要が増す展開になるかどうかが今後の推移を占いそうですね。
すなわち景気後退の有無と程度ということです。
景気後退にならず、需要増加+減産維持はインフレ鈍化期待にとって最悪なシナリオになりますがイメージはしておかないといけませんね。
<<為替>>
USDJPY
○今週(現状ポジションなし)
はっきりとした動きは水曜の下落と金曜の上昇でこれがほとんど=週足となっていますね。
金曜の上昇は強いドル買いが要因で、前述している通り大きなファンダ要因があった訳ではないですがテクニカル的に無視できない動きです。
○来週
様子見
まず135円に定着するかどうかは一つのポイントとなりそうです。
直近は継続的に地銀株下落→金利低下→円買いの流れが短日ベースで来ており、基本は売られる要素の多い円ですが少し動きが読みづらくなっています。
一方でドルはファンダが付いて来てはいないもののテクニカル的には大きな動きとなりましたので、ドル円は様子見としドルストレートでエントリーを検討していきます。
上昇要因
①日米間の絶対的な金利差
②本邦輸入企業のドル買い円売り
③インフレ再上昇(コア高止まり)懸念
下落要因
①FED転換期待が高まりドル売り
②約二年間の上昇によるポジション傾きの解消
(円キャリートレード含む)
③日銀が引き締めスタート(YCC上限幅拡大)
④欧米銀行危機問題
EURUSD(現状ポジションなし)
○今週
前述している通りテクニカル要因や複数の材料が重なり直近レンジ上限(EURUSD1.095DXY102-102.2)をついに大きくブレイクしてきましたね。
大きなファンダが動いた訳ではないのでダマしにも警戒しないといけませんがテクニカル的に軽視はできない動きだと捉えています。
○来週
ショート(デイスイング)
テクニカル的に強い値動きとなっておりますので大局のドル安トレンド目線は維持しながらも、来週から再来週にかけて戻りをくれればショートでエントリーしていきます。
方向:戻り売り
エントリー:1.09付近(DXY102.2)
ターゲット:1.075(DXY103.5)
撤退:1.095(DXY101.7)
戻らず下落していく様であればターゲットを1.075で考えている為、現在レートからは値幅的に見送りでいいと考えています。
少し先の話ですが1.07-1.075まで下落後はロング目線に切り替えエントリーチャンスを待つイメージをしています。
○他通貨
今週の主要通貨の強弱感としては
ポンド≧豪ドル=ユーロ
となりました。
今週はBOEで0.25bp利上げでしたがポンドに対しての影響は限定的で全体の強弱感もほとんどありませんでした。
来週は各国ごとの材料はなく月足ベースでの豪ドル買いに注目しています。
<<要点>>
○ドル(DXY)下目線:ファンダが付いてきてはいないが、無視は出来ない規模の上昇テクニカル(大局はドル安目線維持)
○米株上目線:テクニカル的には引き続き強い、一方硬いレジスタンスを抜けない状況が継続
〇注目イベントは小売売上高とパウエル発言
それでは皆様良い週末を。
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