10/16-21振り返りと10/24-28展望
今週もお疲れ様でした。
【10/16-21振り返り】
<<WSJニック記事からのベイリー・ブラード発言>>
今週は様々な材料で相場が動きましたが一番のインパクトは金曜日NYC時間のWSJニック記事でしたね。
週間通しての材料が多いい為下記に
・英減税政策ほぼ全て撤回→QTは11月1日から
・英トラス首相最短任期で辞任
・英、加でCPI予想上振れ
・米決算は明暗分かれる
・露が新4州で戒厳令
イギリス関連は首相辞任で一服となりそうです。
来週中には新首相決定の様ですね。
そして金曜NYCタイムは怒涛の動きでした。
流れとしては
WSJニック記事→(日銀ドル売り円買い介入)→ベイリー・ブラード発言
記事の内容はFEDが12月FOMCで利上げ幅の縮小(0.75→0.5)を協議しているといった内容。
これに呼応する様にベイリー・ブラード各総裁から過度な引き締めによる景気後退を懸念し利上げ幅を落としていくべきといった発言が出ました。
市場は金利低下-株高-ドル安(為替介入の影響も含む)で反応。
これでマーケットは一定の転換期待を持った状態でブラックアウト期間入りとなりました。(11月2日のFOMCを控え政策に対する発言なし)
FED WATCHでは12月利上げ幅織り込み0.75優勢だったのが0.5へと変化しました。
木曜にサマーズ元財務長官も金利先物市場が織り込むターミナルレートが5%を超え一種の節目だと発言もありましたね。
有識者の発言等でも金利下落-株高-ドル安への転換が近いまたは始まっていると言った発言も増えてきている気がします。
もちろんそうなる可能性もありますが、個人的には早くとも12月FOMCまでは転換方向に舵を切らずいこうと思います。
現状、トレンド継続と転換の確率を9:1から7:3くらいに変えるイメージで相場に取り組んでいきます。
<<米株>>
久々の3指数揃って大陽線坊主となりました。
中身を見ていくと月火で上昇・水木で下落・金に上昇といった流れで一方向に強くではなくまだ迷いながら日替わりといったところ。
とは言え先週CPI前までの強い下落圧力は影を潜めています。
今年に入ってから大きく下げたことと、FEDの政策転換期待が相まって底打ち観測もちらほら口にする方が増えてきた印象です。
<<ドル円>>
ついに週足で10週ぶり陰線です
全ては金曜に実施されたであろう第二弾の円買い介入が要因です。
今週は大きな節目である150円直近であることや先週の上昇スピードが早かったこともあり週初から介入期待が非常に高い状態でした。
しかしレートは月-金にかけて上昇し、152円目前まで迫っても財務省は動かないまま金曜NYC時間に突入。
その後日本時間で23:30頃にドル売り円買い介入と思われる値動きが発生。
介入警戒感が少ない時間帯なのとWSJの記事によりドル安が進んだタイミングでした。
一方で週足が陰線になった事はタイミングによるところが大きいでしょう。
FED転換期待によるドル安が加速しない限りは再び上昇に乗り出すシナリオをメインに考えています。
(ただそう考える参加者が多いでしょうからもう一段の下げにも十分警戒)
<<マクロテーマ状況>>
◆景況感-やや低下
◆物価先高観-上昇
<<要点>>
○金利→⬆️まちまちも長期は上昇、ベアスティープニング
○米株→⬆️上昇、久々の大陽線で包み足
○原油→➡️ほぼ同値、材料乏しく安値圏で横ばい
○ドル円→⬇️下落、金曜介入実施で10週ぶり陰線
○ドルは日替わりではあるがリスクオン基調で売られる、円は大きく下げるも金曜円買い介入で下げ幅縮小
【10/24-28展望】
<<トレード目線>>
○USDJPY
現レートから極力146に引き付けロング
↑下落規模やテクニカルから介入下落の下げ止まりがメインシナリオです。
28日の日銀会合に向けて上昇していくイメージ。
FED転換期待によるドル安が進むケースはエントリー見送りとします。
○ドルストレート
まだ大局通り戻り売り目線ですが、ドル安転換期待が加速する可能性も十分あるので基本様子見スタンスでいきます。
○クロス円
EURJPY
現レートから極力144に引き付けロング
↑ドルと円の見通しから色々なシナリオで安心感のあるペアと捉えています。
簡潔に言うとドル高円高になり辛い状況と捉えている為、底堅い動きが期待できる。(ドル高なら円安、ドル安なら円は横ばいか円安をイメージ)
ユーロ自体も堅調な値動きが続いていることも要因ですね。
○他通貨
ポンド関連は首相辞任で一服でしょう。
直近の主要通貨の強弱感としては
豪ドル>ユーロ>ポンド
で捉えています。
上記からAUDJPYも取引候補には上がるんですが、
豪ドルだと米株の影響を大きく受けてしまう為、ユーロを選定しています。
<<米指標と各国中銀会合>>
米指標では木曜米GDPと金曜PCEデフレーターに注目していきましょう。
内容がどうであれ11月FOMC0.75は濃厚でしょうが、極端な数値であれば声明やパウエル発言に影響を及ぼしますので市場の反応も大きそうです。
次に各国中銀会合ですが、
水曜BOC(カナダ)
木曜ECB(欧州)
金曜BOJ(日本)
といったラインナップです。
市場への影響力としてはECBが一番大きいでしょうが利上げ幅は0.75が濃厚な状況ですね。
声明やラガルド会見などでサプライズがあるかどうかが焦点です。
あとはやや.75予想優勢のカナダですが、こちらが0.5となると市場全体に一定の影響があるかもしれません。
カナダはここまでFEDに先行して積極引き締めを敢行してきた為ここで利上げ幅縮小となるとFEDの転換期待を連想させるからです。
直近CPIが予想上振れでしたので0.75かなといったところですが、要注目です。
日銀会合は恒例の円売りイベントと捉えています。
・ブラックアウト期間入りでFEDメンバーからの発言はなし
・月曜欧英のPMIも要チェック
<<金利>>
今週は短期小動き長期は上昇となりました。
テクニカル的には依然上昇継続一択といったチャートです。
FEDのスタンス変化の兆しや有識者からの金利上昇ピーク発言も増えてきましたので非常に難しいところ。
金利の動向がますます重要度を増してきました。
個人的には下落期待で取引戦略を練ることはしません。
下落していく様であれば下落具合に合わせて徐々にスタンスを変化させていけば良いと考えています。
現状はインフレが鈍化せず利上げペースを落とせない状況が続いていますので、それぞれ次の節目となる短期5%長期は4.5%を目指す流れがメインシナリオですね。
<<米株>>
大局の「金融引き締め→株売りトレンド」と
直近の「引き締め緩和→株買い」がぶつかり合っていますが、上昇継続期待を持てる週だと捉えています。
目先S&P500の3,800を超えていけるかに注目。(ナスダックは11,700あたり)
一方で大局の株安トレンドに戻っていっても全くおかしくない状況なのは絶対に忘れてはいけません。
長期では早くともインフレ継続低下→米金利ターミナルレート到達までは反発上昇を挟みながら下値を探っていく流れがいまだメインシナリオです。
<<原油>>
材料乏しく安値圏での横這いとなりました。
WTIで中値の85$を中心に77-93$でしばらくレンジ形成するパターンも頭に入れておきたい展開です。
再度上昇となれば来月発表のCPI総合値の上昇圧力となりますので注目していきましょう。
<<要点>>
○ドルは中立→やや下目線に分がある気もするが、各チャートテクニカル的に重要なラインはギリギリ維持している為上昇も十分にあり得る
○米株は上目線→転換期待が剥落する場合は早々に下落も全然あり得る
〇注目イベントは各国中銀会合、米GDP、PCEデフレーター
それでは皆様良い週末を。