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【FX】金利上昇ドル高継続、株は冷静にS&P500をみたい→来週は雇用統計に注目

みなさま今週もお疲れ様でした。

【5/22-26まとめ】


<<相関の乱れと軽視されるパウエル>>
今週も大きなイベントが無かったこともあり単日で相場全体が際立った値動きとなった日はありませんでしたね。

米高官たちのタカ派発言、米債務上限を巡る交渉が合意に至るとの楽観、堅調な米指標などを背景に基調としては連日金利上昇、ドル買いが目立つ展開。
金曜日は金利上昇、ドル買いが一服し株価指数が大幅上昇となりました。また週を通して銀行不安が意識される展開はありませんでした。

気になる点を2点見ていきたいと思います。

①市場の相関が乱れる現状

今週の基調として株高-ドル高-オセアニア通貨安
となっており平時の相関関係から考えるとめちゃくちゃな状況です。
普段通りの全体相場の相関を軸にしたトレードは難しい環境ですね。

・株高→利上げ終了間近、米債務上限問題に対する楽観
・ドル高→6月利上げ織り込み、年内利下げ織り込みの剥落、米債務上限問題に対する楽観
・オセアニア通貨高→RBNZの利上げ停止示唆

この辺りの要因が否定された際に大きめな動きになることはイメージしておきたいところです。

②パウエル議長が利上げ停止示唆にも関わらず6月利上げ織り込み
先週金曜日パウエル議長の発言がここまで軽視される展開はやや想定外でした、FEDWATCHでは6月利上げを70%織り込みました。
このままドル高継続であれば6月利上げ後の事実売りは目線に入れておきたいところですね。


下記その他の材料です。
・欧米PMIは製造業低調、サービス業堅調な傾向が継続
・FOMC議事録:6月以降の意見割れる
・PCEデフレーター:上ブレ


<<米指標状況>>
◆住宅関連-悪化からやや持ち直し
◆景況感関連-悪化→PMIは製造業下ブレ、非製造業上ブレ
◆物価関連-減速→やや上ブレ
◆雇用関連-堅調→新規失業保険は下ブレ


<<要点>>
○金利⬆️上昇:連日堅調推移が続く、短期のパフォーマンスがより高く4.5%超え-3週連騰

○米株⬆️上昇:テック株が強く指数ごとのパフォーマンスが顕著に、ナスダックは今週も年初来高値更新

○原油⬆️上昇:ファンダに振らされるも結局は小動き-2週連騰

○ドル円⬆️上昇:連日の上昇で大陽線、140円にしっかり乗せて引ける-3週連騰

○ドル⬆️上昇:一貫してドル高基調が続く、金曜には一服
○円⬇️下落:一貫して円安基調、オセアニア通貨と共に売られる

【来週に向けて】

<<雇用統計>>
来週は月末と月初が絡んだ週になるため特殊フローに警戒、指標では雇用統計が最注目です。
月曜日は欧米ともに休場のためほとんど動かない状況が想定されますね。

毎月注目される雇用統計での下ブレサプライズですがメインシナリオとしては今回も堅調な数値が想定されます。
下ブレとなれば大きな動きとなるでしょうが可能性は低そうです。

また債務上限問題に関して現状は6月5日がXデーとなっており、短期的なボラテリティ要因にはなりますので進展を確認しておきましょう。


下記その他注目イベントです。
・水曜-豪CPI、JOLTS求人
・木曜-欧州HICP、ADP雇用、ISM製造業


<<金利>>
○今週
連日堅調推移が続く中短期のパフォーマンスがより高く4.5%超えで引けとなりました。

大枠では3月中旬以降、短期3.75%-4.25%長期3.3%-3.6%でのレンジ推移となっておりましたが先週レンジ上限である短期4.25%長期3.6%を上抜けた後今週も一方的な上昇となりました。

○来週
パウエル議長の利上げ停止示唆をよそに市場は一気に6月利上げを織り込みにいきました。
次の目処としては短期4.8%長期4%あたりでみています。

ファンダ的には更なる上昇はハードルが高いように思います。
月末フローは下落となりそうです。


<<米株>>
○今週
テック株のアウトパフォームが強き指数ごとのパフォーマンスが顕著になってきましたね。
エヌビディアの大幅高もありナスダックは今週も年初来高値更新となりました。

FEDの利上げ終了間近ということで上目線のプレイヤーがジワジワ増えてきている印象を受けます。
これを強く否定する指標結果が出ない限りは堅調な動きが続きそうです。
対局上昇トレンド入りを考える向きも出てきましたが、下落トレンドを脱した後も継続上昇していくにはインフレ再燃、企業業績悪化、リセッションなどの懸念材料をこなしていく必要がありまだまだ道のりは険しいと捉えています。


○来週
ナスダックの大幅上昇が目を引きますがやはりここは引き続き中立なS&P500での4200明確超えに注目していきたいと思います。
今週は米指標や債務上限問題の進展をしっかりチェックしていきましょう。
月末フローは売りとなりそうです。

長期では早くともインフレ継続低下→米金利ターミナルレート到達までは反発上昇を挟みながら下値を探っていく下落トレンドが依然メインシナリオです。
ただ物価指標が着実に低下してきておりますので徐々に長期で上昇地合いになっていくイメージも膨らませていきます。
(リセッション懸念が本格化した場合は利上げ終了でも上値重いシナリオも)


<<原油>>
○今週
上昇ファンダと下落ファンダに振らされるも結局は小動きとなるものの2週連騰。


○来週
短期的には引き続き70$のサポートと75$付近のレジスタンスでの反応を確認していきたいところですね。

4月OPEC+減産決定はもちろん事実として価格上昇要因ですが、需要が増す展開になるかどうかが今後の推移を占いそうですね。
すなわち景気後退の有無と程度ということです。
景気後退にならず、需要増加+減産維持はインフレ鈍化期待にとって最悪なシナリオになりますがイメージはしておかないといけませんね。


<<為替>>
USDJPY
○今週(現状ポジションなし)
連日の上昇で大陽線、140円にしっかり乗せて引けまして3週連騰となりました。
金利上昇を受け目立った押し目もなくジリジリと上昇していきました。

○来週
◇様子見
テクニカル的には142円が次のターゲットかつ明確なレジスタンスとして考えられます。
つまり下げてくれないとここからロングはできません。

ドルはフラット、円は円安継続目線で考えています。(理由は日銀緩和維持、日経買いのヘッジ等)
ドル安で下がってきた場合にはクロス円で優先的にロングを検討していきます。(更なるドル高に懐疑的なため)


上昇要因
①日米間の絶対的な金利差
②本邦輸入企業のドル買い円売り
③インフレ再上昇(コア高止まり)懸念
下落要因
①FED転換期待が高まりドル売り
②約二年間の上昇によるポジション傾きの解消
(円キャリートレード含む)
③日銀が引き締めスタート(YCC上限幅拡大)
④米債務上限問題


EURUSD(現状ポジションなし)
○今週
先週金曜日の反発上昇は続かず、ドル円同様大きな戻りなくジリジリ下げていきました。
これで3週続落、更なる続落エネルギーがあるかも疑問ですが安易なドル売りもできない状況です。

○来週
◇様子見(チャンスがあればロング)
目先のチャートポイントは1.075、続落目処は1.05で捉えています。
基本的には様子見姿勢ですが1.05-1.06でファンダや指標結果伴っての上昇があればロスカットも限定的に済むためロングを検討していきます。


○他通貨
今週の主要通貨の強弱感としては
ユーロ≧ポンド>豪ドル
となりました。

今週は同じオセアニア圏であるRBNZが利上げ停止を示唆したことを受け豪ドルにも売りが波及しました。
来週は欧州HICPと豪CPIがありますのでユーロと豪ドルに注目しています。


<<要点>>
○ドル(DXY)上目線:金利上昇が行き過ぎな気もするが、テクニカル的には文句なしに強い
○米株上目線:テクニカル的には引き続き強い、S&P500で4,200を明確に超えられるかが焦点(ナスダックのアウトパフォームが続く)
〇注目イベントは雇用統計


それでは皆様良い週末を。

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