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【朔 #152】形而上的な熊

 きみどりいろのこいびとが、
 天空で祝われていた──。
 朝なさな、
 藤垂れてくる、この、
 一天。
 風鈴に海を返す。
 美空ひばりだ。
 誰もかれも、
 蟬の彼方を知らない、
 無垢な頃を持たずに生きてきた。
 大阪の暮れ方は凄まじく、私に水母がたくさんあることの、形而上的な熊? 詳らかに汗の匂いさせて、肉体よりも精神が欲しい。おい、フロイト。あなたの眼光が偽物みたい。千円札はまだ野口。
 口、唇、朽ち、
 誰でもいいから、
 海を眺めていてくれ。

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