【朔 #96】鴉と会話
若葉の、芽吹きの、筒鳥の、
藤懸り、桜蘂降り、躑躅燃ゆ。
師の道筋に、
得難い、鯛、
または露涼し。
三日位、
六甲山に籠りたいような気持ちで、鴉と会話していた。
──厳然と聳える死と同じく、
──芥ほどじゃあないが、
──恋という主題を、
──パン屑のいくつか、
──賜る刹那を展開する、
──マクドナルド。
──眠気の侵襲的な公益性について、
──……。
──鼻が一番覚えている嬌声とともに説明したら、あなたは、一生懸命に、理解しようと隻翼を搔くでしょう、一生懸命に、そんなつもりで言ってない!
人魚の肉を。