【朔 #92】吉岡実『土方巽頌』(筑摩書房)という伝記
最近の読書は俳句関連に偏っていたが、吉増さんに会いに行く、やけに空いている快速電車の中で読んだのは、吉岡実『土方巽頌』(筑摩書房)という伝記であった。これは、吉岡実の日記と吉岡実以外の人物達(土方巽本人も含む)による土方巽関連の文章の引用によって構成されている。本当は読破してから、会場に着きたかったのだが、三分の一ほどで大阪駅に降りなければならなかった。
帰りの電車でも、同書を読んだ。止まっていた頁を読み終えて、次のページをめくると、そこに引用されていたのは吉増さんの文章であった。こういう、運命じみたことが、吉増さんの磁場によって起こるのだ。
つい先ほど(二〇二四年四月二十九日二時五十九分)、久々に盗掘。ノオトNo.135。根源乃手が蘇った。
昼は静かに、歯の違和感と闘いながら、やり過ごそうと思う。