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【朔 #98】コノ、渾沌のTongue

夏草に延びてからまる牛の舌

高浜虚子『六百句』(昭和二十二年、菁柿堂)より

巨象たち、校庭ヲ叩ク
牛ノ舌、a、Tongue 牛

『現代詩手帖 二〇二四年一月号』掲載
吉増剛造「雛の家」より

 前回、思わぬ形で、ソノ、鉄路を発見した、虚子の句と吉増さんの詩。文机の前に掲示する。コノ、渾沌のTongue。
 新しい詩を書き始めて、てい、ている、指の方から囁きかけてくるものがある。玄米茶まで写り込んだ画像には、そういう、狂ひ始めた日時計にも一抹の理性を担保しようとする、抵抗。夜々、狂って。
 死児もいる、雛の家。
 嬰児とは、疲れやすいもの(鳩を傍に 生れ疲れの嬰児ひとり/赤尾兜子)。
 窓枠の狂気が夏暁に看破されるとき、
 永遠にラガーでいられるか、君は!

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