【朔 #173】青鷺に似た格好で
本来、淡路島を眺めているだけでいい人生なのだが、美しい雲がひとり目の前をよぎったので、以来、私は青鷺に似た格好で、屋根の上、アンテナの横に突っ立っている。空いた、空いた、そろそろ末枯れ。
浦、彼。
血が出るほど掻き毟る。
トースターと電子天秤。
裏、卜、ら。
奈良のホテル。都かな。
かなかなかなかなかな、蜩。
蜩が、聞こえない。
本来、淡路島を眺めているだけでいい人生なのだが、美しい雲がひとり目の前をよぎったので、以来、私は青鷺に似た格好で、屋根の上、アンテナの横に突っ立っている。空いた、空いた、そろそろ末枯れ。
浦、彼。
血が出るほど掻き毟る。
トースターと電子天秤。
裏、卜、ら。
奈良のホテル。都かな。
かなかなかなかなかな、蜩。
蜩が、聞こえない。