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【朔 #230】余計

 北村太郎を読むときは、身の回りに雪が降っていると錯覚するほど静かな夜が相応しい。
 朝顔の種の、
 固い黒の、奥、
 瑞々しい葉が生まれたての犬のようになっている、
 のを、
 見てみたくて、どうしても見てみたくて、
 カッターの刃をひとつ折り、
 押し当てたのだ(どこに?どこに?どこに???????)。
 足の裏で鉄錆が育つのをセイレーンは知っていた。丸みを帯びたウイスキーボトルを抱えて私は眠る。一生の京蕪。酔いを知るのは嬉しいことだ。トーストが二枚とも飛び出してくるみたいだ、その。みたい、が余計だ、が余計だ、が余計だ、が余計だ、が余計だ、が余計だ、が余計だ、不安か。ところで、海水を一口含んだ途端に蛸の腕が二本失われた気がした、この、海のどこかで、宇宙の中心で。淫らな試みは、丁字路を褶曲することを可能にする法典はないか、ライカ、開花宣言、芒の。
 蒼↔︎青。
 蒼鷹という日本語。無理、無理よりの無理。

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