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【朔 #82】藤棚が欲しい、バター

 漸く、藤の花。
 藤には何も課していないので、
 気楽に、
 見られる。
 梅見、
 花見ときて、
 藤見がないのはもったいない。
 私も、
 藤棚が欲しい、バター。
 フレンチトーストを食べてから藤棚の下に立つと、バター。
 熊蜂と虻とその他大勢と。
 鳳蝶がやってきていて、
 もう、そこは夏でした。
 ノン!
 昨日(二〇二四年四月十八日)は冷たかった。
 花は葉に。
 石田波郷新人賞を狙うシロハラたちよ。
 私は一度眠りたい。
 帰りたい。
 知りたい。
 知りたい。
 おお、
 ししししししししししししし、と
 不吉な平仮名が並ぶ街路に、
 春日傘は転がっている。
 廃星の簡易的な拒絶、
 それこそが、
 貝殻から伸びた臍帯であったのかもしれなかった。不死の、
 猫の首が私を見つめる。
 テレビよりもテレビなのはテレビだけれども、
 私よりテレビなのは大変ですよ。
 また、
 嫉妬が夜鷹を殺すだろう。
 星になれない。
 慣れない!
 もう、
 太陽神の箴言など聞き飽きた!

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