【朔 #62】今は暇
手帖を開いても、そこに、和、多、詩、は居ないし、鷹が来ても舟の優しい厳しさを知っただけだった。
歯は軋み、顎は軋み、また歯の不安が増大中。
評を仕上げ、評を送る。あと一ヶ月分残っていて、五月以降は連載の締切はない。五月末の原稿が一本。今のところ、上半期の締切はこれだけになった。こいつが一番難敵だ。鏡無しで己を視て、それは雲の粒子から光を見るようなものだけれども。この原稿のこともあり、一昨日(二〇二四年三月二十七日)からある言葉を受けて portrait を(portrait論を)考え始めた。ここに横尾忠則の関与があることを告白しておく。
ともかく今は暇だ。
暇と言い切るには周りが、自分が、騒がしいが創作スケジュール的には暇だ。落語も能も、美術館も、しばらく行けそうに無い。海を只管見つめるだけだ。
恐らく今日(二〇二四年三月二十九日)は再読の日になるだろう。榎本櫻湖、那珂太郎、小川軽舟、河野裕子、小砂川チト、と名が浮かんでくるが、他方で積読消費を望んでいる。
ね、晩春って、
もうそろそろ、夏ですよね。