見出し画像

【朔 #17】彗星の斧激ち、尾を放ち、捩れ、撚れ、よれよれの野原にまた夜這星

 風船、石鹼玉、鞦韆。
 風船、石鹼玉、鞦韆。
 臣の字の折々、とりどり、
 一日を煙のごとく過ごすのは
 容易ならざることだった、立った、発った(鯖も同じような狂乱)
 短命の、眼、の純粋な身体を紀行して、ああ、
 背中が腹よりも冷たい君よ!
 風船、
   石鹼玉、
      鞦韆。
 風船、
   石鹼玉、
鞦韆。
 鞦韆。
 例えば蛸の行軍は自慰の滴りに似て、……
 これは詩ではない、と言ったとしても
 では何だ、と訊くような
 あなたがたではないでしょう?
 十訓抄
 十戒
 自戒
 黒い繃帯(吉原幸子の一息)まで辿り着くには、彗星の斧激ち、尾を放ち、捩れ、撚れ、よれよれの野原にまた夜這星。
 読まねばならぬ本の筆頭に
 吉増剛造『裸のメモ』(書肆山田)
 が昇ってきたのはまさしく
 凪──。

 ささやかな日常の一幕で、本日はお終いです。ありがとうございました。ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!