【朔 #177】あをによし、はしけやし
夢の中で接吻されたような気が夕方になってしてきた。多分、気のせい。
今年は奈良の引力が増している。五月、子鹿たちの中を歩いて空海の涼しい眦に対したところから、十月、十一月と続けて行くことになった。紅葉の奈良、寧楽、あをによし、はしけやし、ゑ。
え?
そんなこといったら、例年通り京都にも訪れている。六月の眠気の中をバスに揺られて多面的絵画空間に取り残されていた。そこからはひたすら歩いて、ああ、万緑の河野裕子の墓参り……。八月三十一日、台風大丈夫か?
そこに加えて毎月の千里中央。今月は堺市まで行った。が、その堺でも、山の向こう、奈良の気配が轟く入道雲を一心に見ていた。結局、奈良である。
晩秋、また貯水池に行きたい。これは神戸だ。
とりあえず、快活CLUB。