精神障害者の私が支援者になろうとしたわけ。

私は数年前まで支援者を目指した高校生でした

数年前。私は精神障害者になりました。それは突然の発症でした。

発症前、私は夢を追いかけているごく一般的な高校生でした。
障害を持った子供たちを支援したいと、一生懸命勉強した日々です。
でも、精神障害を発症し、その夢は閉ざされてしまいました。
しかし、それでも支援者になろうと夢を諦めませんでした。
視点を変え、精神障害の方を支援したいと作業療法士を目指しました。

待っていたのはあまりにも過酷な日々でした。

大学生になり、私は勉強に励みました。
「いつか、夢見た支援者になるんだ」と。
しかし、待っていたのはあまりにも過酷な日々でした。

勉強は学年を追うごとに難しくなり、実習も増え、何度も入退院を繰り返しました。
何度も「もう諦めよう。私には支援者は向いてない。」そう思いました。
それでも先生方や友人に励ましてもらい、何とか卒業。
国家試験もなんとか合格し夢見た支援者になりました。

障害という壁。

長時間働けないことからアルバイトで子供の分野に就職。
しかし、すぐにやめてしまいます。
そしてまた就職、退職を繰り返しました。

その時感じました。「私は障害という壁を乗り越えることができない。」
支援者になろうと何年も思い描いていた夢を叶えることはできませんでした。
その時「障害者として生きるしかないのか。」と絶望したこともありました。
そして私は作業療法士という職にこだわることをやめ、就労継続支援事業所に通い始めました。

就労継続支援事業所に通い始めて芽生えた新たな夢

そんな私は、今新たな夢を追いかけています。
それは「精神障害者のピアサポートをしたい」という夢と
「この経験を未来の支援者になる方々に知ってほしい」という夢。

違う形での支援者になりたい。そして情報発信をしたい。

そんな希望を抱き始めました。
この希望を抱いた理由があります。

大きな理由は「やっぱり支援したい。支援って大事。」と感じたからです。
そして「支援者の方、これから支援者になる方にいち当事者の声を聴いてほしい」という希望です。

支援者だった精神障害当事者が今伝えたいこと。

かつて支援者だった精神障害者の私が今伝えたいこと。それは。
「自分らしく生きること、それを支援することの素晴らしさを多くの人に知ってほしい」

今、多くの支援者の方々が障害のある方々の支援に従事してくれていて、そのおかげで生きている方々も多くいます。私もその一人です。

支援にはいろんな形があります。
物理的に病気を治すという形の支援。
元の生活に戻れるよう、近い生活が送れるようにするという支援。
今ある生活を維持する支援。
地域で最期を迎えられるようにする支援など。

これらの支援に共通することが「自分らしく生活を送るための支援」
ということ。

自分らしさは当たり前ですが人それぞれです。
「糖尿病だけど甘いものが食べたい」とか
「骨折したけど歩きたい」とか

私の自分らしさは「精神障害でも支援者になりたい」です。
その希望だけがどうしても譲れないものです。

確かに難しい支援もあります。特に心の見えない障害だと難しいです。

それでも「生きていてよかった」と当事者の方が思える支援をした時、
それが「自分らしさ」なのだと私は思います。

未来の私。思い描く世界。

未来の私が本当に支援者になっているかどうかはわかりません。
ただ今の私が「支援をしたい」と願うことがきっと「自分らしさ」なのでしょう。

今私が思い描く未来は、「支援を受けたい人が適切な支援を受けられる世界」です。
そうすればきっと多くの人が自分らしさを持つことができるのではないでしょうか。
自分らしさを多くの人が持てる世界。
綺麗事かもしれませんが素敵な世界ですね。

私を支援してくれる人みたいにはなれないけれど、自分らしい支援をできる未来へ。

私は周りの支援者の方々みたいにはなれません。
ですが、私は私らしい支援ができると信じて今を生きています。

これからもきっと壁を乗り越えられない時が来ると思います。
きっと自分の障害を憎むときもあるかもしれません。

でも、「それが私」です。
その私はこの世に一人。来世にいるかもわからない。

それなら今、そして未来を大切に生きたいと思っています。

未来の私が自分らしさを大切に生きていますように。


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