本音を話してパフォーマンスアップ!
昨日、ニュースでスケートの鍵山優真選手が、羽生選手の言葉によって強くなったという話が取り上げられていました。
その内容が、アスリートにとってとても重要だと感じたので記事を書きました。
謙遜が求められる日本人選手の心理的課題
日本は、謙遜することが良しとされていて、それが自分の本音を偽ってしまうことにつながっているところがあり、これはスポーツをはじめ自分を主張することが必要な場面での弱さになるなと感じています。
謙遜は、相手との衝突を避けるため、友好的な人間関係を築くために必要な態度でもあるので、本来は相手から自分の能力や結果について評価された時に「それほどでも・・・」と遠慮気味に答える時に使えばいいと思います。
それは、その場の話題が自分だけに偏らないようにする配慮であると同時に、天狗になっていると思われないための自己防衛も兼ねているものなので、自分の自己認識を歪めて言葉にする必要はないと思います。
しかし、周囲に気を使いすぎて謙遜をすることだけを意識していると自分の本音を偽って本当は思ってもない自己評価を基にした発言をしてしまうことになることがあります。
鍵山選手は、日本代表に選ばれた時の記者会見で謙遜や遠慮で本音が言えませんでした。
本音を言うことを遠慮した鍵山選手と羽生選手のフォロー
記者から目標を聞かれた鍵山選手は、「日本代表として足を引っ張らないように」と答えたのです。
しかし、そこですぐに羽生選手が、「本音じゃないでしょ?」、「優真の良さは、負けん気の強さと、勢いだと思うから、どんどん言っちゃえ。何かあったら俺が守るから」と本音を言葉にするように言いました。
これによって鍵山選手は、「表彰台を狙いたい」と本音を語ることができました。
鍵山選手は、あの日から本音を話すことを意識しているし、本音を言葉にすることで、
自分は上に挑戦する選手だという自覚を強く持てるようになったそうです。
羽生選手のコーチング力と後輩からの信頼
この記者会見のやり取りを見て、羽生選手の後輩への優しさを感じると同時に、心理的なコーチング力と後輩からの信頼度の高さ感じました。
私は、アスリートのコーチングをする時は、私とアスリートだけの空間で安心して本音を言ってもらっています。
「プロになりたい」、「日本代表になりたい」、「世界一になりたい」など自分の目指していることを素直に言葉にすることは、自分に対する約束になり、自分の目的を無意識に刻み込むことになります。
ただ、上記のようなことを話してもらうためには信頼関係を築くこと、そして安心できる環境を作ってあげることが必要なので、コーチングで何度か話をした上でアスリートが心から言葉にできる内容でもあります。
羽生選手と鍵山選手の間には、お互いをリスペクトする感情があると思うので、信頼関係という点では自分の本音を言える関係だと思いますが、メディアの前で鍵山選手が発言を躊躇したタイミングで、鍵山選手に本音を言うことを進めた羽生選手の判断力はすごいなと思いました。
鍵山選手は、記者会見の場だったからこそ謙虚な発言で本音を抑えたのだと思いますが、あの場で本音を言うことを促したことで鍵山選手の覚悟を高め、自己イメージを成長させることができたのではないかと思います。
そういう意味では、あの場でフォローを入れて、本音を言い直させるという適切なアプローチをした羽生選手は、素晴らしいコーチングを行ったと感じました。
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