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彼岸花と桜

ようやく秋めいてきた今日この頃。
高くなった空や乾き始めた風や道端に咲く彼岸花。
普段は意識することさえ忘れているような自然から、季節の移ろいを感じています。

彼岸花というのは、本当に不思議なもので、毎年、きっちり秋のお彼岸の頃に咲く気がします。
祖父の家の庭にもあって、今年は赤色の花が咲いたと聞きました。
去年は白や黄色もあったんですけどね。
今年はお休みみたいです。

そんなきっちりさんの彼岸花とは対照的なのが、桜。
この時期のニュースでもよく取り上げられているのを目にしますが、今年もフライング開花したつぼみがあったようです。
今調べたら、葉が落ちるのが早まると、まだ咲いちゃだめよ~っていう植物ホルモンの働きが弱まり、花を咲かせてしまうそうです。
ふむふむ。
桜がおおざっぱってわけではないのね。
ごめん、勘違いしていたわ。

確かに、先日訪れた公園が桜の名所だったのですが、そこでも、落葉&開花現象、起きてたようです。
私は生のフライング桜にすっかり心を奪われていて、そのときは気にも留めなかったのですが、撮った写真を見返したら、葉っぱはついていませんでした。
丸裸の木に桜の花がちょこちょこっと咲いている感じ。
原因はいろいろあるようだけれど、植物にもホルモンバランスの乱れってあるのね、ってことにちょっと親近感を抱いております。
人間も、植物も、いたわっていきたいですなぁ。

あれ? まだ半分も書いていないのに、なんだか今日のお話が締めに入りそうな予感……。
いや、もうちょっと続けたいよ、私は。
何か、何かないかしら……。

えっと、それじゃあ、彼岸花と桜に関するエピソードを一つずつ紹介しようかしら。

彼岸花はですね、これを食べておなかを壊した人の話を聞いたことがあります。
小学生のときに、道端の草をなんでも食べる子がいたんですよ。
その子が、下校中に彼岸花を口にしましてね。
ご存じの方も多いと思いますが、彼岸花の球根には毒があるです。
その子が食べたのは確か花だったので、毒のせいかはわからないのですが、家に帰ってからおなかが痛くなったらしいです。
幸い、大事には至らなかったようで、安心しました。
よい子の皆さんはマネしないようにね。

桜についてはですね、人間の思惑通りにはいかないなぁと思った記憶があります。
高校生のとき、掃除場所が正門のあたりで、桜の木もありましてね。
正門って、卒業式とか入学式で、パネルとか設置されて、みんな写真撮影をする場所で、だから桜の木を植えたと思うんです。
でも、卒業式にも、入学式にもかぶらない時期に満開になって。
その年は、確か遅咲きで、入学式が終わって何日かしてから、咲いた気がします。
その落ちた花びらをほうきで掃きながら、もうちょっと早く咲いてくれたらよかったのにね、と。

なんだか、どちらの思い出も、ちょっとハッピーな雰囲気少なめなお話になってしまいましたな。
なんでだろ?
秋のせいかしら。
昔の人も、確か、秋のもの悲しさとか、静けさを詠んでいるものね。
そう、秋っぽい心持ちになれるのも、風情があるじゃない。
こういうときは、おいしいごはんと、すてきな本と、あたたかい布団で、自分を癒しましょうかね。

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