雨に醸せば
わたしの醸しは44年前に遡る。
それは初冬の雨のち月夜からはじまった。
この世に産声を
おぎやあ
と書いたとか書けなかったとか。それから
紆余曲折で44年を端折り此処に在る。
醸し、醸され、醸しだせと孔子は論ぜず。
わたしに更なる醸しを教えてくれたのは、その名も
醸し部
ちょっと酸っぱい匂い漂う。
醸し部
ひとは死ぬまで醸すもの、
しかし戒名に醸しは遠慮したい。
そんな
醸し部
この度、御縁を頂き入部と相成りました。
当方、小さな小さな池に在る唯の金魚。
人間さまの影にすら怯えてしまうようなコンコンチキ。
いや、金魚です。
金魚のくせに猫のお面も被りますが、
怠け癖のある金魚は時折鮒に戻ってしまうので、
そんなときには池の水面をぐるぐる掻き回してみてください。
道理に不案内多く、迷惑という文字を書けぬこともあるやもしれませんが、宜しく御願い申し上げます。