空にないもの

日常から非日常へ移り変わるとき、誰もの脳が錯覚を起こさせる。それを正常化の偏見と呼ぶ。これは本能の防御。人間は、いつなんどきも日常から学び、それを超えたときから安らかなるセロトニンは減少を辿り、たちどころに暴君アドレナリンが起爆する。ここで初めて脳内では緊急事態宣言が発動される。(別称を逃げちゃダメ宣言)

そうして起爆のち操縦不能の状態を繰り返していく。責める、攻撃、攻撃、落胆。防御とは名ばかりのものが続く。当然に、負う傷ばかりの非日常から学びはなかなか訪れない。思考停止状態とも、飽和状態ともいう。しかし、

これで終息とはいかないのが脳。いよいよと暴走をはじめてしまう。それは二度、三度、四度もあるかもしれない。攻撃の増幅は脳の限界信号を明滅させる一方で、不眠と脱力の吹きだまりとなる。堆積するばかりの不安とストレスに最後の暴走が咆哮するとき。ようやくと聖槍は突き刺された。


復活に呪文はない。ただ攻撃をやめる、それだけ。雨の理由くらいに、月は拘泥しない。

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