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男性不妊を理解するための原因と症状の一覧

男性不妊と診断されて平気な男はいません。
万が一にも自分の精子が少ないなんて微塵も思ってもいないので、医者に告知された時のダメージは、メラゾーマかザラキぐらいの攻撃力があります。

そんなダメージを知っていれば、炎ダメージ軽減の防具を身につけていくか、ザオリクを唱えられる僧侶を連れて行きます。何の話だっけ?

そうそう。
敵を知らずにいると立ち直れなくなるので、ちゃんとしたデータをもってことにあたりましょうということが言いたいのです。

僕の場合は、無知ゆえに自分が男性不妊だと知った時にダメージがデカ過ぎたんですが、統計上、5.5組に1組の割合で夫婦は不妊治療を受けており、原因の半分は男性です。

これってめちゃめちゃ多い数字だと思うんですよね。
35歳が"精子"の分かれ道とも言います。それを知らずに突然焦る人を減らすためにこのブログを書いているわけですが、まずは正確に状況把握してもらいたいです。

2016年に発表された「我が国における男性不妊に対する検査・治療に関する調査研究」が現在の男性不妊の実情をよく表しています。
なにせ7,253名もの多くのデータを元にした報告書なので、これから男性不妊と戦うにあたっての冒険の書になります。

男性不妊の症状

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まずは生殖医療専門の泌尿器科で7,253人の精液検査をした調査結果が上のグラフです。

<内訳>
・無精子症 17%
・高度乏精子症 & 精子無力症 21%
・乏精子症 & 精子無力症 20%
・乏精子症 14%
・正常 22%
・検査自体なし 7%

検査をして精子が見つからなかった人は17%もいます。
精液が少なかったり、動いていない精子が多くいる人は55%にもなります。正確に理解するためにもそれぞれの言葉を説明しますね。

- 無精子症

精液中に精子が見つからない場合を無精子症といいます。射精をしてその中にわずかでも精子が見つかれば高度乏精子症ですが、0になれば無精子症と認定されます。泌尿器科での検査結果としては17%が無精子症と診断されていますが、潜在的には日本人男性の約1%が無精子症だと言われています。

- 高度乏精子症

普通は万単位で精子は見つかりますが、数匹など極端に少ない場合は高度乏精子症と診断されます。僕の場合はこの高度乏精子症と診断されました。

- 乏精子症

WHO基準による自然妊娠する精子濃度の下限1500万/mlを下回った状態を乏精子症と言います。精子が少ないので自然妊娠には至らないと言われています。

- 精子無力症

動いている精子の割合が40%を下回ると精子無力症と診断されます。動いていないので卵子にたどり着くことがありません。乏精子症と合併して起きることが多いようです。


グラフには入っていませんでしたが、これらの症状以外にも奇形率やDNAの損傷なども男性不妊の原因と言われています。おそらくデータ上は乏精子症などに含まれているはずなので、精子が少ないことに影響して「運動率」や「精子の質」も悪化することがこのグラフから読み取れます


男性不妊症の原因

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こちらは男性不妊を原因別に分けた表です。
専門の医療機関で調査した5,991名の調査結果になるので男性不妊と診断された方はどこかに該当するはずです。

- 1.造精機能障害(全体の82.4%)

精子がたくさん作れない場合「造精機能障害」になります。


1-1. 突発性(42.1%)
原因不明の男性不妊です。陰嚢内で活性酸素が増加することで精子が死滅したり、テストステロンの減少で精子が育ちにくかったりするのがその一因です。主に生活習慣の改善でよくなると言われています。

1-2. 精索静脈瘤(30.2%)
精巣の静脈に血液が逆流することで血流がアマゾン川のようにクネクネとうねり、陰嚢内の温度上昇や酸化ストレスを引き起こします。男性不妊症の患者の35〜50%がこの症状に該当します。解剖学的にみると左金玉側に起きやすく、グレード1〜3に分類されグレード3だと触診や目視でその症状が確認できます。
自覚症状があまりないので気付きにくいですが、一般男性でも10〜20%がこの症状を保有していると言われています。

1-3. 染色体・遺伝子異常(4.4%)
染色体の以上は約660人に1人の割合で存在します。人が持っている46本の染色体が、切断されていたり、他の染色体と結合していたり、男性の持つXYの染色体のXが多かったりします。この場合、精巣萎縮だったり女性化乳房だったりします。

1-4. 薬剤性(1.8%)
抗うつ剤の中には精子の運搬を停滞させるものがあったり、育毛剤は男性ホルモンを抑制するのでその副作用として造精機能が低下するきっかけにもなるそうです。

1-5. 停留精巣(1.6%)
精巣が陰嚢内に降りてこない症状です。通常は小児期に見つかりますが、見落とされたまま成人になることもあります。精巣がだらんと垂れ下がっているのは、精巣環境を体温より低くするためですが停留精巣になっていると、身体の中に精巣があることで熱によるストレスを受けて精子を作る機能が低下します。

1-6. 低ゴナドトロピン性性腺機能低下症(1.0%)
脳のホルモンの分泌がうまくいかず、思春期における二次性徴がうまくいかなかった症状。(ググったけどよく分からなかったのでそんな感じ)
先天性のものは、10万人に1.2〜10名程度と考えられています。


- 2.性機能障害(全体の13.5%)

性行為ができない場合「性機能障害」になります。

2-1. 勃起障害(6.1%)
俗に言うEDです。大半の勃起障害は血管、神経、精神、または内分泌疾患に関連したものであり,さらに薬剤使用も原因となりうるそうです。

2-2. 射精障害(7.4%)
過度の刺激によるマスターベーションが原因で膣内で射精できない症状です。性産業の発展と引き換えにこんな症状の人もいるんですね。


- 3.閉塞性性機能障害(3.9%)

精子がでてこない場合「閉塞性性機能障害」になります。

3-1. 原因不明の精路閉塞(1.2%)
精巣内で精子が形成されていても、精管が非常に細かったりしこりや腫瘍があるなどの理由で精子が出てこられない症状です。触診などでわかることがあるそうです。ボールをぶつけられたなどの精巣の外傷により起きる場合があります。

3-2. 精巣上体炎後(0.7%)
尿のなかの細菌が精巣上体に入りこみ、そこで炎症を起こす病気だそうです。想像しただけでイタタタッ

3-3. パイプカット後(精管結紮後)(0.7%)
精管をしばることで精子がでないようにするのがパイプカットです。
ちなみに精液には精漿(せいしょう)と精子が含まれているので、パイプカットをしても射精で液は出るそうです。へーー

3-4. 脱腸後(鼠径ヘルニア術後)(0.7%)
幼少時に脱腸の手術を受けた人は、手術部位に精管が走っているためにこれが塞がってしまうことがあるそうです。

3-5. 先天性精管欠損(0.7%)
先天的な精巣上体、精嚢腺、前立腺の欠損あるいは奇形などにより、尿道まで精子が出てこられないそうです。

3-6. 射精管・精囊䛾異常(0.7%)
射精時に精液の通過する管が異常をおこしている症状です。


原因と症状からの考察

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自分は高度乏精子症と診断されましたが、医者から原因や症状だけ言われてもはっきりいってピンときませんでした。なので僕の言葉で状況を解説します。

- 患者の30%が精索静脈瘤。突発性が42%。

「突発性」と「精索静脈瘤」だけで全体の72%になります。
つまり男性不妊と診断された人の大半はこのどちらかの可能性が高いです。

なお「突発性」とは「原因が分からない」ということです。現在の医学では精子はその時のコンディションにより大きく左右されると言われています。なので突発的にデータが悪くなっているという見解です。


- 突発的な精子減少の解決手段

NHKの番組「精子クライシス」では陰嚢内の活性酸素の増加や、テストステロンの減少、陰嚢の熱が精子の能力を下げていると紹介していました。

番組で紹介していた『精子力アップの7か条』は、以前の記事「NHKで放送された男性不妊問題『精子力クライシス』の要約と感想」でも紹介していますが下記になります。

1.  軽めの運動
2. 禁欲しない
3. 亜鉛の摂取
4. 体重管理
5. 質の高い睡眠(7時間程度)
6. 長風呂・サウナを避ける
7. ぴっちりした下着をはかない

この精子力アップの7か条は、精子の基礎体力づくりのようなものなので実践するのは必須として、これだけで無精子症や高度乏精子症が自然妊娠するまで回復するとは考えにくいです。きっと何かしら大きく影響する原因が存在するんじゃないかと思っています。


- 原因不明と診断される人があまりにも多い

「男性不妊の原因はわからない」と病院で診断される人は非常に多くいます。一時的に精子のデータが悪いと「突発性」と診断されますが、2回3回とデータが悪くても原因が解らなければ「突発性」です。

つまり42%もいる「突発性の患者は原因不明」でもあるんです。

ちなみに僕は大学病院の医師にこう言われました。

「突発性の原因はわからない。診療でわかるのは現在の状況結果だけで、過去を遡って原因を調べることができないので、何が原因で精子を造る力が衰えているのかは判断できない。」

頼るべき一筋のクモの糸も無いような一言でした。
なんて殺生な。。。と思いましたがこれは医師も原因がよくわかっておらず、「突発性」に分類分けしているということだと理解しました。

男性不妊の研究は20年程度とまだまだ短い研究分野です。不妊治療と言えば女性が一般的なので男性側のデータがあまりにも少なく知見が十分ではないのでしょう。

精子が8匹しかいないと言われた僕ですが、そこまで原因不明の割合が多いのであれば、逆に原因を自分で見つけて改善してやる!とこの病気と闘う腹が決まりました。



まとめ

以上が男性不妊の原因と症状です。自分の身体に何が起きているかを知ることで、この病気と向き合っていけると思います。


今も改善チャレンジ中の僕の男性不妊体験記はマガジンにまとめていますので読んでみてください。不妊治療に悩んでいる夫婦の力になれれば幸いです。
⇒ブログ「絶対に諦めねーぞ!男性不妊の克服を目指すブログ
⇒Twitter:@kintamadaijin

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