軽い気持ちで精子検査をしたらWHO基準を大きく下回っていた話
自分に起こった実体験をブログにまとめます。
衝撃的な事実が判明したんですが、どうやら僕の精子は圧倒的に少ないらしい。
いわゆる男性不妊というやつです。男性不妊に関する記事がほどんどなく、自分も情報取得に苦労したのでこのブログが悩んでいる人の参考になれば幸いです。
ちょっとした好奇心で精子検査してみた。
結婚を考えている彼女は35歳。自分は42歳。付き合って半年ほどだが相性はいいように感じていた。
お互い子供は欲しいと思っていて3人は欲しいね。なんて話もしていた。お互いいい年齢なので、だらだらと付き合うつもりもなくタイミング次第ですぐに結婚してもいいと思っていた。
最近だと交際0日で結婚するカップルもいるし、なんならできちゃった婚でもいい。
そんな相手なので、早め早めに対応する方がいいんじゃないかと思い、ブライダルチェックをしてみた。
ブライダルチェックとは、精液検査と感染症の検査だ。
精液なんてものは、男にとって長年の付き合いから見慣れた存在ではあるが、その実情は分かっていない。
テッシュに包まれて、ゴミ箱に行くだけの存在が、いざ結婚となると卵子に出会うための神聖な存在になる。
見慣れて30年ほど経つが、こいつの真の能力が気になり調べたくなったわけだ。
はじめて精液検査をしてみた
ネットで「精液検査」や「ブライダルチェック」でググると、いくつかの泌尿器科がでてきた。
その中から適当に選んだ病院で検査をすることにした。
精子くんの状態を検査するのにかかる費用は15,000円。興味半分で調べるには結構な金額だが、好奇心とノリで検査を受けることにした。
検査した病院は、精液検査だけでなく、病院はED(勃起不良)やAGA(薄毛治療)なども取り扱う雑居ビルにあるクリニックだ。
まずは採精するための容器を病院に取りに行く。病院によっては郵送で容器を送ってもらえる所もあるらしい。
もらってきた検査セットには、プラスチック製の容器と茶色のビニール袋が入っていた。茶色の袋は日光を通さない仕様なんだろう。
その容器に自宅で採取した精子をいれて病院に持っていけば検査をしてもらえる。当たり前だが、普通にオナニーしてその容器に射精することになる。とても違和感のある行為だ。
そうして提出した検査結果は一週間程度で判明することになる。
精子が無いと判明したとき、男性はどうなるのか?
検査を受け取りに行くときに考えていたことがある。
数年前にニュースで話題になったことだが、とある女性芸能人が不倫して、結婚していた男性歌手が自殺したニュースだ。
人の色恋沙汰には興味は無いが、男性歌手は精子が無いカラダだったらしく「子供ができないカラダでごめんね。」と遺書に記していたそうだ。
このニュースを聞いて自分は、女性芸能人を責めるよりも、男性歌手の気持ちの方に共感した。
子供がいなくても幸せな家庭はいっぱいあるし、子供が結婚の全てではないことはわかる。
それでも惚れた女性に自分の子供を産んでもらいたいし、嫁さんと子供がいる幸せな家庭を作りたい。
しょせんは男なんてカマキリみたいなもんで、遺伝子を残せば嫁に食われてしまう存在だが、それも本望で単純に食われないために努力して、嫁と子供が幸せに暮らせる生活をつくって、なおかつ自分の自由も獲得するために努力するんじゃないだろうか。
それが叶わないと知った時、とてつもない喪失感に襲われるだろうとニュースを見ながら思っていた。
もし万が一、検査結果が悪かった場合、自分は生きていられるのかな?なんてことを考えながら病院に行った。
最悪の結果が待ち受けていた。。。
診療室に通されて若い先生がまず言ったのは、「何かお薬は飲まれてますか?」「ハードなスポーツをされていますか?」などいくつかの質問だった。
普段の生活で精力が弱いなんて感じたことも無いし、むしろどうしたらこんなに精子が多くなるんですか?なんて医者に言われると思っていた。
さっさと結果報告してくれればいいのに何を質問ばかりしてくるんだこの医者はと思っていたところ、医者の口からこんなことを言われた。
医者「精子の数字がすごく悪いです。自然妊娠すると言われているWHOの基準の1/100の数字しかありません。」
私は一生懸命その言葉を理解しようとした。
何を言ってるんだ。。。
俺がそんな数字なわけがない!
たしかに年齢は40歳は超えているが20代に負けないぐらいの精力はある。
運動もしてるし体力もある。夜な夜なのトレーニングも欠かさないんだぞ。
もしかして、夏場だったから病院まで持ってくる容器の中で精子が死んだんじゃないのか?
あの遮光の袋にもっと素早く入れないといけなかったのか?たまたま調子の悪い日だったんじゃないのか?
WHO基準の1/100ってなんだ?復活するよな?
様々な疑問が頭をよぎった。
映画や漫画などで、あまりにも衝撃的な事実を聞いた人は頭の中がぐるぐるしながら相手の話が耳に入ってこない表現があるが、自分の場合は冷静に結果を聞いていた気がする。
仮に本当に自然妊娠するための1/100のしか精子がいないとして、どうしたらそれが一般的な数値まで回復するんだ?
予備知識がまったく無いので、医者が話す一つ一つの言葉の中に解決するための答えが隠されているような気がして食い入るように話を聞いた。
そうしないと魂がこの場から離れていきそうな気がした。
一通り話を聞いた後、「この病院では詳しい検査ができません、大病院で精密検査を受けるなら招待状を書きます。」と言われたので、今すぐ書いてほしい!と即答した。
帰り道は雨だった。ショックなことが起きた後、雨に濡れて帰るんなんて安っぽいドラマの台本じゃあるまいし!それともこれは夢?
検査結果を頭の中で繰り返しながら、これは事実かもしれないが、もしかすると検査エラーかもしれない。とにかくまずは精密検査だ!
自分が子供ができないカラダなんてことは想像したことがない。たしかに結果は悪かったかもしれないが絶対に良くなるはずだ!困難は乗り越えるためにある!
大丈夫、俺なら大丈夫だ!一生懸命そう自分に言い聞かせた。もし弱音を吐いてしまったら、この先どんなモチベーションで生きていけばいいか分からくなるから。
この日から頭の片隅に男性不妊というワードがこびりついて、擦っても擦っても取れない頑固な汚れのような存在になった。
今も改善チャレンジ中の僕の男性不妊体験記はマガジンにまとめていますので読んでみてください。不妊治療に悩んでいる夫婦の力になれれば幸いです。
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