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移り変わる意思
こんばんは。
kintaです。
移り変わる意思。これはACPの事を言っています。
ここ数年で特に
「当人が、家族がどう生きたいか、どう生きて欲しいか」
「どういう終わりを迎えて欲しいか」
その時が近付いてきた時のために事前からそれぞれの気持ちを拾っておく、これに沿った方針で支援にあたることは僕らマネジメントに求められた大きな責任だということ、関係者なら誰しも否応なしに理解しているところだと思います。
手前味噌ながら、僕はこれをとても重視しているんです。
なぜなら当人も家族もそれぞれに人生があって当人だけでもダメ、家族だけでもダメ、双方バランスが取れた形でないと歪みが生まれるから。
ただ、現代ではこれがとても難しい。
一昔前であればそこに寄り添う家族や親族がある程度いる社会だった。
でも今は仕事がある、子育てがある、結果老老介護になってしまって現実的には地力がないのが現状だから。ライフバランス、ワークバランスのどちらを取ってもかなり無理があるから。加えて医療病床は減り感染症禍のために面会が以前のように許されないという弊害(仕方ないことだけど)もややデフォルトになってしまっている。
世の中は確実に変わってきていて。
でも世間のイメージは昔のままで。
病院だって好きで面会を遮断してないし医療は医療で決められた枠の中で回さなければならない社会保障事業で。また感染症禍ということがありつつも頑張っている、間違いなく。
ここで残念なのは世間にはそう見えてないってこと。これは福祉も同様に。
だからまず1つ言いたいのは
医療も福祉も最大限できる限りのアクションを公費事業としての自覚を持って頑張っている。
これは間違いない。
これに対してそんなことは無い!というような人は出直してきてくれと思う。
思ってる以上にこっちも必死だ。
何に必死なのか。
国が定めたアドバンスケアプランニング(ACP)に即して当人、家族それぞれの思いを反映させようとする活動に対して真剣にやっている。
でもそこに大きな落とし穴がある、そしてそれは、埋まらない。
従事者は数多くの例を目の当たりにしてくることで予後の予測を立て、そこへ仮に向かうと仮定した時にその時点での意思確認を行う。勿論入口だから当人方もそこまで深くは捉えられない、実感がないから。
ただ時が進むに連れてそれが現実味を帯びてくる。僕らはそこを想定しているからこの状況で出せる選択肢は何かを当然持ち合わせてる。が、露骨にそれを当人方にぶつけるのは乱暴な話になってしまう。
だから要所要所、都度都度確認をし直す。
しかしこの時もまだ当人方には実感はないため現実味はない。関係者からすると大事な方針。道筋のないマネジメントは対処療法になり筋を見失う。
結果、多くが後手になり、詰む。
十分な提案もできずに、終わる。
従事者はことの重さを知っているからこそ敢えての話を例に出しつつ意向を拾う。
方針の材料として知っておく必要があるから。
でも家族は、違う。
自分の身内の命がかかってる。
気持ちは乱れるし、医師からの説明にも混乱し、何をどう考えていいかもわからなくなる。
これは責任を負いたくないとかではなく、純粋に「もう少し頑張って欲しい」と思っていたその時が突然目の前に現実として叩きつけられてしまうから。
結果、机上の空論として打ち立てられたACPは多くの場合直前でネジ曲がる。
そりゃそうだ、命だから。
当然だと思う。
一方で考えようとしない、考えている振りをしているだけの形になってしまうこともある。これは国の、社会の問題。現代がそうさせた。
誰もいつか来るかもしれない介護という時間が突然来ると思ってない。
思いたくもない。
だからこそシビアな話を指摘されると不快感を表したりする。従事者は罵倒されることすらある。
これが今。
一筋縄では行かないこと位は分かってる。
移り変わる意思も当然だ。
でもそこの覚悟を決めてどう逃げずに関われるかは従事者の覚悟ではなくて、当人と家族の覚悟。
人が幕を引く時、そんなに簡単に終われるわけがないんだ。
人生が終わる時、一生に一度しかないその瞬間。
言葉が強いかもしれないけど、現代社会は「終わる」ことに対しての覚悟がまるで足りないと思う。
でも、これだけ身内の話に集中できない社会構造にしたのは国。
せめて介護休暇とか育児休暇とかそんな次元の話ではなく、もっと実効性がある柔軟な発想と敬意を持って、これまて国を支えてきたであろう人達の支援を充実させて欲しい。
形だけのパフォーマンスにはもうウンザリだよ。
命を軽んじるなよ。
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