
元素が好き
「学問への愛を語ろう」というタグを見て、ちゃんと好きなものを好きだ好きだ、可愛いだけでなく言語化してみようと改めて考えた次第だ。
なんで元素が好き?
小学5年か、6年生の時にマグネシウムを塩酸で溶かす実験をみて、ポツポツと出てくる泡の方に私は興味を持った。
先生に「これなんですか?」って聞いたら「水素だよ」って言われまして、水素ってなに!?って興奮気味の私に理科室にはない、周期表をパソコン室で印刷してくれて、私はその形、その美しさ、世界はこれでしか出来ていないことへの意味のわからない魅力に取り憑かれ、いつでもその紙を持ち歩いた。
残念なことにこの時に印刷してもらった紙は紛失してしまったのだが、元素周期表の美しさに取り憑かれた私は、毎日自分の話を聞いてくれる教頭先生のところへ通うようになる。体育教師である教頭先生はとても優しく、中学で習うから、これから先のことだからと私を翻すことなく、うんうん、と魅力を語る自分を肯定してくれた。
友人たちは虫取りや可愛い筆記用具に夢中になる中、自分だけは元素に取り憑かれていた。
元々、理科が得意で理科が好きな子供だったので、かいてあることがするりと入ってきたこともある。ただ、小2から学研の「科学の学習」(※正確には「〇年の科学」)を読んでいたので、きっとその中で元素周期表も見ている可能性があるのに、その辺りをスルーして付録と後ろの方にある漫画に夢中になっていたあたりが子供である。(今も精神的に子供だが)
せっかくなので学研さんへ取材した記事を見つけたのでリンクを貼っておく。結構深く突っ込んだ取材記事なのでめっちゃいい記事だと思う。
学研さんのサイトも載せておく。いままでの付録も見れるらしい!やった〜!懐かしくて最高だ。
話が逸れたが、元素周期表をとにかく眺めてはニヤニヤするやばい小学生だったのである。
中学になっても元素周期表ばっかり眺めていた
中学になり、理科資料集を与えられたが、そこでも元素に関わるページばかりを読んでいた。僕は授業そっちのけで好きなページを読むという悪い癖があったので、いつも好きなところばかり読んでいた。そして中学で扱う元素の少なさにがっかりしたものだ。
あとは中学の理科教師とも相性が悪かった。私の好奇心を否定するような、ここで習うものは、ここで習うもの、みたいに円で囲って、成長させてくれる環境ではなかった。と、周りのせいにするのは簡単なのだが。
自分はアウトプットすることで身につくタイプなので、誰も自分と同じ興味を持たない、むしろ理科が苦手、理科得意としてるあの子は嫌味?みたいな扱いにがっかりしたものだ。(でも凹んではいなかった)
僕の中学は公立でその地区の子供達がエスカレータ式に登るような平均的、むしろ平均以下のあまり学習に力を入れてるような学校ではなかったので、自己学習も一日一ページやれば良い環境だった。
なので私は一日一ページ、元素についてをただただ書きまくる学習をしていたのだが、それを「大変よく出来ました」と否定されなかったのはよかったと思っている。
ただ、何かズレていくさすが俺
元素が好きだ、当然小学校の卒アルに将来の夢は「科学者」と書いた。同級生もこいつなら科学者になりそう、と言ってくれていた。
しかし私は中学の毎日元素の学習をしているうちに、元素へ「人格」を見出していくようになった。「この元素なら人間だと…」
元々好きじゃない教科はお絵かきの時間にしていたくらいだ。(ひどい話だ)好きなものはお絵かきと元素。そうして出来上がってきたのが今日も続けている「元素擬人化」である。
もっと勉強しないとな、と改まる最近
私は元素が好きなのであって、別段化学が得意なわけでもなかった。特に数学が苦手で、自分はディスカリキュリアなのではないかと思うくらいだった。
それから元素=理科・化学のもの、になるのも不満だった。私は数学がアホみたいに苦手な代わりに国語の成績がとてもよかった。というか国語こそ、どんどん一人で勝手に読み進みながら同時進行でいまやっているページの問題を正解させる離れ技を使えるくらいだったので国語が基本的に得意なのだと思う。まあ、こんな年になってまで学生時代の教科の話をし続けるのは片腹痛いのでこのへんにするが…。
こういったことが根底にあり、この「元素」への視点が、いまの私を形作っているのである。
ただ、自分はあまりにも自分の世界に閉じこもり、成長する機会も得てこなかった。化学もとい、元素が好きなのにそれから離れるような進路になり、現在では小学生の時に書いた将来の夢「科学者」でもなんでもない、ただのグラフィックデザイナー(と名ばかりで実力はまだまだの未熟者)になった。どうしてこうなった、は説明すると長いし、興味無いと思うので省くが。
好きなものがあるなら、それだけを考えていればよかった。そう思う。
グラフィックデザイナーは自分に向いていると思っているので、これはこれでいいと思っているし、何より、自分の一番やりたいことは元素の漫画をかく。これである。
無駄なことが多かったな、横道にそれたなあ、自分の承認欲求でやってしまった物事があったなあ。そういう反省はある。他のサークルさんの造詣の深さに圧倒され、自分の浅はかさに、ただ好きなだけの浅さに恥を覚えたこともある。ただ好きではダメだ、何を自分は表現したいのか、自分の視点はなんなのか。本をたくさん買って深めようとしているが、残念なことにその本を読む時間を捻出できていない下手くそさに泣きたくなることも多い。
もっとやりたい!気持ちばかりなところも、反省したくて、学問が好き!というこのnoteをかいているのもある。
そして、自分の一番を改めて考えたい、その意味もある。
元素の漫画をかいて、元素に関わるものを作り出していきたい
科学者には確かになれなかった。まあこれから大学行ってなることもできるかもしれないが、私は社会生活というもの、何より人間らしい生活ができる人間では無い。飯ひとつ作れない人間である。大学行っても好きなことは最大まで得意でも、苦手なことはずっと苦手で留年しそうと思っているので、悩みどころである。(むしろこういう人間の方が合ってるかもしれないが)
ただ、元素に関わりたい、というのが本質であり、自分が小学生の時に抱いた「ドキドキ」である。元素と関わり、元素のことをいつも考えていたい。
その原点。それをいま実現できるのは元素の漫画をかくこと、元素に関わるものを作り出していくことだと思っている。
確かに、私は理系の大学も出ていない一般人だ。説得力がないと思う。その分自分は資格をとって説得力を増していきつつ、かきたいものを自由にかいていきたいと思う。
創作は自由だ。自分の根底から生まれる視点を最大に引き出していきたいと思う。
なかなか、アウトプットが下手なことや製作に時間がかかること、仕事との両立がきついなど、弱音を吐き始めたらどんどん出てしまうが、それでもやっぱり、やりたいのである。もっとアウトプットの方法を工夫しないと自分の身にならない気がしてならない。なかなか、漫画・元素のグッズだけでは自分への定着が薄い気がしているのだ。
でも、この、「やりたい!!!」はきっと小学生の頃、元素周期表を持って一人でニヤニヤしていた時の楽しさと同じである。
そういう本質だけは、原点だけは、大事にして
元素というとんでもなくでかくて、世界を相手にするかのような広大なる学問をこれからも楽しみたいと思う。