都内

広がるか、寄付文化 〜寄付月間とふるさと納税〜

 かなり久しぶりの投稿となりました。短い記事でもいいから頻繁に、と思いつつも慌ただしくなってくると作文作業からつい遠のいてしまいますね。その間にいろいろとネタになりそうな記念日をスルーしてしまいました。

 さて、本日は「広がるか、寄付文化」という話題がNHKの首都圏ネットワークという番組で取り上げられたらしいという話から。NHKのコンテンツは勝手に転載するわけにはいきませんので、内容が後からチェックできるサイトのリンクをご紹介します。

首都圏ネットワーク「広がるか、寄付文化」http://www.nhk.or.jp/shutoken/net/report/20180501.html

 誠に残念ながら私自身、首都圏外在住なので視聴できませんでしたが、このサイトで内容については大体わかりました。途中、ファンドレイザーという存在にもスポットを当ててサラッと解説してくださっています。また、この中で紹介されている中高一貫校は、まさに寄付文化を広めるための取り組み「寄付月間」にも積極的に参加している学校で、寄付月間2017大賞も受賞されています。だから取材された、という順番だとは思いますが。この取り組みに参加した学生さんたちはきっと次代の先頭に立つファンドレイザーに育ってくれるのではないかと期待されます。
 さてその「寄付月間」とは、、、

寄付月間(Giving December)は、NPO、大学、企業、行政などで寄付に係る主な関係者が幅広く集い、寄付が人々の幸せを生み出す社会をつくるために、12月1日から31日の間、協働で行う全国的なキャンペーンです。この寄付月間は、特定の団体への寄付をお願いするものではありません。一人ひとりがこの機会に寄付について考えたり、実際に寄付してみたり、寄付月間についてソーシャルメディアで広げたりすることや、寄付を受ける側が寄付者に感謝して、きちんと寄付の使い道を報告することが進むきっかけにしたいと考えています。
寄付月間2017HPより

 このように、日本ファンドレイジング協会などが中心となって、寄付文化が育っていないと言われがちな日本に善意の循環が生まれるように様々な取り組みが行われています。

 もう一つ取り上げられている「ふるさと納税」の変化も最近の潮流の一つかもしれません。
 ふるさと納税といえば、返礼品競争が激化して利用も一気に伸び、2017年版の寄附白書匂いてはその規模が大きくなりすぎて、寄付の一種とみなすと統計データに影響が出てしまうため、一つのカテゴリーとして分離されたほどです。
 これまで加熱する返礼品競争ばかりに注目が集まっていましたが、寄付先指定でその土地のNPOの活動を支援するという選択肢も増えてきました。それを先駆的に始めたのが佐賀県で、ふるさと納税を使った支援の枠組みを作ってNPOを誘致するという取り組みを行って実績も上げ、注目を集めています。ふるさと納税の代名詞とも言えるサイト「ふるさとチョイス」のTOPにも今は3つのキーワードが並んでいます。

「お礼の品をもらって地域応援」
「使い道に共感して地域応援」
「寄附金で災害支援」

この2つ目をガバメントクラウドファンディングと名付け、返礼品のためではなく応援したい政策のために寄付するという方向性が強く打ち出され始めました。これがおそらくは本来意図されたものだったのではないかと思うのですが。とにかくふるさと納税も寄付体験の入り口として寄付の裾野を広げているとも言えるわけですね。

ちなみに3つ目の「災害支援」には熊本地震を契機に面白い支援ルートが生まれています。いわゆる「代理受付」です。被災自治体はとにかく緊急事態で、自分たちも被災者でありながら市民のために復旧・復興作業に当たるため、事務作業が圧倒的に追いつきません。そこで、職員を事務作業員として送り込むよりも、寄付の受付を代行してあげてはどうか、と言って、茨城県のとある町が行政の縦割りを超えて受付を開始し、受付の全額をそのまま並行して熊本に送金するという手法をとりました。ニーズに即した素晴らしい対応ですよね。最近だと昨年の九州北部豪雨災害の際に被災地近隣の自治体が実施した例があるようです、いざという時の行政の負担を各地で分担できるいい仕組みですね。

 話がちょっとそれましたが、ふるさと納税も含めた寄付の総額は東日本大震災以降、堅調に増加傾向であると寄付白書2017には記されています。ですが、ふるさと納税の伸びに対していわゆるNPO/NGOへの寄付は必ずしも順調に伸びているとは言い難いのが現状です。私もファンドレイザーの端くれとしてこうして少しずつ情報発信して寄付文化の広がりに貢献できたらいいなぁと日々思っているのであります。

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