木ノ戸久仁子

人間が石を作る 陶芸の技法で石を作っています。

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    誰かが自分の作品について書いてくれた記事

最近の記事

寒い! 今年は九月位まで夏日だったくせに 秋は忙しくしてたせいもあったのか あっという間に終わって既に完璧な冬の様相。 仕事ばっかりして過ごしている。 殆どの時間作業場にいて だからといって制作がバリバリに進むかといえばそうでもなくずっと絵を描いたり文章を書いたりして過ごしている。 次の展示は大分。 なるべく暖かい所にいきたいのは自分の本能みたいなもので 海の近くで育ったでっかい人たちに会いにいく。 ずっと殺伐とした所で作っているので作品が会場に並んで誰かと話してというのがや

    • 模様替え

      忙しい時に限って模様替えしたくなる。作業場の道具を全部目につかない所にしまえるようにして真っ白空間にしたくなってる。 模様替えっていうよりDIY。 そして月替わり位の勢いでその時好きな絵を一枚だけ飾る。 想像だけでめちゃくちゃ良い! ごちゃごちゃしてるととにかく頭が大混乱してしまう。 床にものがあると急に片付けもできなくなる。 1人暮らしの時は 黒の部屋 白の部屋 というのを作っていて 暗くて真っ暗な中空の部屋にベッドだけある所と 白く塗った部屋にかっこいい影の出来る

      • 雑記

        例えば生粋の職人陶芸家なのに 何か違和感のある例えば現代美術だとか雷みたいなベクトルで進める作家とかもいて、逆のパターンもあり。 私は人のあるべきようはという事について考えたりする。 他人が不自然だなこの人っていう感覚はやっぱり大枠ではあっていて もしそんなもの覆すくらいの強さがあるなら何を言われても邁進するが良いし、もし強さが無いなら自分のあるべきようをちゃんと見つめたり考えたら良いと思う。 私はどっちなんだろうって考えてる時間がもう惜しいので私は牛歩でも一ミリでも進みます

        • 谷川俊太郎さん

          谷川俊太郎さんが亡くなった。 教科書に載っていたカムチャッカから始まりいつもなにか自分の大切なタイミングで谷川俊太郎さんの詩は心に届いて響いていました。 二十代の頃いつも傍にあった 「夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった」を今日は読み返します。 谷川俊太郎さんの言葉は“やっぱり美しい事は嘘じゃないんだ”と信じられる例えば夜通し眠れなくて起きていた日の朝焼けのようでした。 本当にありがとうございました。 谷川俊太郎さんの言葉に助けられる時がこれからもずっとずっとあると思いま

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          4本

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          石で世界を見てみよう!

          美術作家の大槻香奈さんが作られた半オープンスペースでワークショップをしました。 私が石の話をして皆さんで石に触れて選んで絵を描くという充実の内容。 4時間という長時間のイベントでしたが時間が経つのが早くてあっというまでした。 これまで作品については話してきたのですが自分が石そのものをどう見ているかを話す機会はあまりなかった気がします。 石の話をしていると芸術の話や世界や人間の存在の捉え方を話してる気分にもなってきます。 選りすぐりの個人的石コレクションを持ち込ませて頂き皆さ

          石で世界を見てみよう!

          厳しい所

          ここ最近朝起きて小学校の授業に行ったり色んな仕事をこなしながら帰ってきて制作をしてというのが普通になりつつある。 今作っているものはどんな言い訳もごまかしも本当の意味できかない厳しい場所で見せなければいけない作品。 いつだってそういう気持ちで作ってきたけれど最近は特にそういう気持ちが大きくなっている。 1ヶ月前とは覚悟が違う。 1週間とかヘタすれば3日とか1日とかそういう早さで自分の頭がどんどんはっきりしていく。 色んな方に助けて頂いてというのは あるけれど 比例するように作

          ひさびさ

          ひさびさに四時まで呑んで車で寝て帰って来た。 四時の私は朝起きた私の為にコーヒーとシュークリームを2つ買っていて 起きた時、酔っていた頃の自分ナイスと思った。 久しぶりに絵を買った。 例えば一年後におんなじ作者の絵だっておんなじ流れの絵に出会える事はないだろうから感動したのなら今すぐ素直に手元に置いておくのが良い。 昨日感動した事はずっとずっと絵が視覚で証明してくれるし普段は忘れていても今をリアルに忘れない為に絵は想像や言葉では無い事も重ねる事ができてよりリアルだ。 色んな

          雑記

          美しい事を作り続けようとする事の恐ろしさは美しい事が嘘だった時に 美しい流れに逆らえず死ぬ事になってしまうっていうところなのかもしれないなぁ。 ちゃんと美しくない所の身体と繋げてないとな!

          割れる

          陶芸なんてどんな頑張っても割れる事もあるんです。 ましてや何百人とか、何千人とかの子供(土にはじめて触れる人)が作ったものを焼成して全員1ミリのヒビも入らずに完品なんて事は絶対ないです。。 なかなか難しい所ですが 子供には陶芸って割れる事もあるよって授業の時にある程度説明出来ます。 難しいのは本当はプロセスを経て出来たものがただ自分の子供の作ったものとしてその子の親の前に現れた時。うちの子の作品にひびが入ってたってムキーってならはる可能性。 しかもまだ怒ってもいはらへんのに想

          喜怒哀楽

          喜怒哀楽が激しいと思います。 多分感受性とかも強い方だとおもいます。 それなのにここ20年くらい息子に対しても声を荒げたりしたことが殆どない(夫に聞いたら一回だけ眠たいのにしつこくされてもう寝させてって怒ったらしい) あと人前で全く泣かない。 器がデカいとか穏やかな訳ではないから何かとても我慢してる気がする。 良いのかな。 昔は凄い言い合いの喧嘩とかしてたのにな。 そんなもんなんかな。 芸術家やぞとおもったりする。

          宮沢賢治

          窯が終わらずに窯場にいます。 ずっと宮沢賢治が好きです。 だけど宮沢賢治が本当は恵まれた環境にいたからこその宮沢賢治だと思うと大混乱です。 それでも宮沢賢治の書いた文章に私は心を動かされて宮沢賢治に会いたかったとか思っちゃう。 もし生きてはったら宮沢賢治とオレンジジュースを一緒にのみたいです。

          作業場

          陶芸家って自分の制作する場所の事なんていってんのかな。 工房? 仕事場? アトリエ? 惰性で作業場って言ってるかも。 とりあえず毎日眠くて空いた時間は全部寝ていたいです。 ギリギリまで色んな事を放っておいてでも沢山寝れば良いとおもいます。 ほとんどの時間を作業場で過ごしているので寝れる位に気持ち良い椅子買っちゃいたいけど。 ラピュタは好きか好きじゃないかなんて考えられないくらい大事なアニメ。 作業場にはラピュタのポスターが貼ってあります。

          大分の作品をつくる前。雑感メモ。

          陶芸の技法で石を作っている。 土で骨材を作りその時の最適で型を作り(型が形のないもっと大きなものの場合もある)釉薬で造形する。 焼成で重力を使って造形して窯から上がってきた所でもう一度造形する。 土、釉薬、炎 どの原料にもそれぞれにその時々の物性があり 本当は原料は統計のとれるような名前がつけられるような物質ではないからひとつひとつを一からみつめて向き合うしかない。 願うなら全部が芸術としての美しい行為では在りたい。 そしてうみだしたものに、あるベクトルからの確かな強度

          大分の作品をつくる前。雑感メモ。

          雑感

          信楽で信楽ACTというアートイベントを立ち上げ参加していた事があった。 信楽町全体を使って作品展示やライブをしたりその中で移動式ギャラリーというのを作ったりとにかく信楽で住むこと作ること展示する事を根本から考えていった。 今ならもっともっと各所から評価されてもいい内容だったと自負している。 もともとは地元の窯元の人と陶芸の話がしたかったのもある。 いつも私達は「自分が生活をしている町」で「外からきた芸術家」という体で存在せねばならなかった。 もしかしたら気のせいかもしれない

          陶歴

          木ノ戸 久仁子 1976  滋賀県に生まれる 1995 信楽登り窯窯元に就職 1998 ニュージーランドにて作陶 2001  信楽窯業技術試験場 釉薬科 修了。 2011  滋賀県比叡平に築窯 主な展覧会 2021 企画展「現代作家茶碗特集」(三越日本橋本店) 2022 個展「世界石化計画 III」(東京白白庵) 2023 個展「いつかの石器時代」(東京白白庵) 2024 大槻香奈企画グループ展「ギャルと自然」(東京アートコンプレックスセンター) 企画展「根源

          窯が焚きたい

          まだなんにも出来ていないのにもう頭の中では作品が出来てしまっている。 展示もしてしまっている。 なんにもないのに在る。 なんにもないのに在るという事は本当に在る。 でも作らないと誰かには伝わらない。 作ったのなら、やらなくてはいけない事をしっかりやらなくては作った事さえも気付いて貰えない。 私はここに来ても尚何か大きな事項をなんとか進ませたいと願って作っている。 ロックは死んだとか焼き物では既に全部やり尽くしたとか信じてない。 知ってるけど信じられない。 これまで何