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しょぼい片付けの記録-02 “習慣づける”ために

帰宅後の家事タイムアタックにて

休日のこと。
整体に行き、久しぶりに外でお昼を済ませ、食料品を調達して帰宅した。
帰宅するや否や、リュックを置いて冷蔵ものや冷凍ものを冷蔵庫に片付ける。手を洗って、そのままフローリングにクイックルワイパーをかけ、ミスドで買ってきたオールドファッションでさっくりおやつを済ませ、それから掃除機に着手した。

ややあって、台所に向かった。溜まっていた食器を片付けようと思った。食器洗い自体は苦痛ではないため、まず炊飯器の内釜と内蓋から始めた。それから食器に取り掛かり、小さくて重いや小鉢やお茶碗から始めて大きくて軽いボウルなどへ、それから大きくて重い鍋など、さらに揚げ物の油の処理をしつつこれを片付けてFINISH。 およそ20分から30分だった。
気分はよかった。フロー状態だった。

次は何を片付けようか、と考えたものの、うまく思い浮かばず、
とりあえずは、この間掲げていた「資源ごみをきちんと出せるようになりたい」というところで手を打つことにした。

まず、資源ごみで一番出せていない瓶を片付けることにした。
瓶はかさばり、重い。かといって数が増えにくく、しばらく出せなくても困らない。あと、資源ごみの日は毎週ではなく、そもそも早く起きられないので、収集日に狙って起きるのはもっと難しい。
ちょうどいいんじゃないか、と思った。

都度考える必要があることからは自然と遠ざかる

ここで強烈に気になったことがあった。

このまま無意識で手を動かしていたら、所要時間も分からないし、手順も見出せないのではないか?

物を目の前にして、嫌々着手して作業興奮を引き起こすことができれば、 後は流れ作業で手を動かして完了することはできる。
しかし、「とりあえず着手してみる」も、正しい使い方ができないとただの無計画に陥りやすい。そういえばあれを忘れていたとか、追加でこれもやらなきゃいけないじゃんという割り込みに辟易してしまう。
で、片付けが終わった後、しんどかったな、ハードルが高いな、という気持ちばかりが残る。すると、次がなくなる。

そこで、瓶を片付けるにあたり、取った行動をなるべく短い言葉に起こすことにした。短い言葉に、と指定しているのにも理由はある。完成したものを先に出しておくと以下の通り。上から順番に取り掛かっていく。

ごみの始末
・劣化したものは燃えるごみの袋へ
・びん は 袋へ
・ペットボトル は 袋へ
・他、そこにある理由がないもの
・置きっぱなしの食品をいつ開けるか決める

ごみの日にきちんと出すにあたって最も必要なのは「時間までに起きる」ということだけど、次に大事なのは「ごみを出せる形に整えておくこと」かと思う。
早く起きられた時に『よし、ごみを出しちゃおう」となっても、いわば、空白のマップの先に[ごみを出す]というカードが置かれてる状態だ。[ごみを出す]というカードに到達する手順から考え始めてしまう。手順の確認が必要になってしまう。確認といっても未踏の地の解明なのか手順書に従っての作業なのかでだいぶ違う。

じやあなにが必要なのか。
シンプルなルールだけがある手順書である。

手順を作るため、まずは観察から

■瓶を入れる
流し台の隅に固めてあった瓶を見た。これを袋に入れるイメージを思い浮かべた。 少しすすいで、ビニール袋に次々入れていった。
お酒の瓶だけは大きかったので流し台に残した。
床に退避させていた瓶を取り上げた。プラスチックのキャップがついていたので、これは所定の分別に従い別の袋に入れた。

流し台の側の棚にも、洗って乾かした瓶を置いてあったが、保管を始めて2〜3年になる。もし今後ジャムを作ったりして瓶を使いたくなったときには、これを熱湯とかで消毒すればいいのかもしれないが、そもそも衛生的な知識が足りないので新しい物を買ったほうがいいかもしれない。これも袋へ入れた。
すべての瓶を袋に入れた。外に持ち出す準備のできた袋は玄関の定位置に置いた。 

動きを止めて、袋を見下ろした。片付け終わった証左がそこに置いてある。
あれだけ腰の重かった自分にもできてしまったのか、と思った。

つまり、必要なのは2つある。
「瓶を袋に入れる」という一言と、それ以外は考えなくて大丈夫だと理解できることだ。

■ストックを減らす
こうなると、作業興奮だか成功体験だか分からないけど気分はいい。

台所を眺めた。片付いている気がしていた。しかし、仮にその感覚が正しいのであれば、なぜ目の前の面は物で埋まっているのか。
ただ単に、ずっと同じ場所にある物やしばらく触れてない物が視界に入ってない、というだけの話なのだ。

幸い、今日は時間はある。むしろ、どれだけ時間がかかるかを調べるのが今の目的だ、と奮い起こす。

台所を眺めた時に、調理台の隅にこういう物がいくつかあった。
特定の置き場所はないが、調理台の隅にあっても特に困らないので、次の使い道のためにそこに仮置きしてある、そういったもの。
例えば、400g入りの大きなヨーグルトの蓋はプラスチック製で、一時的に物を置くトレイとして使い勝手がいいため、ヨーグルトを食べきるとこの蓋を取っておく。さらに、ヨーグルトは定期的に買ってくるので、蓋も定期的に増える。しかし、このままにしておけばストックは古くなる一方であり、物は増えていく。

ここで、一般的な考え方に倣うならば、増えた分だけ減らして一定量を保つように仕組みづくりをすればいいのだろうが、唯一の基準に照らしたからといってもそれは今の自分が強い必然性を感じない数字であるし、使いたくて取っておいたものを都度捨てるのは気力を使う。
基本的に、ルールは少ないほどいい。特に、最初のうちは。

・ヨーグルトを食べきったら容器は流しへ、蓋は調理台の隅へ移動する
(ルールは1つ)

1) ヨーグルトを食べきったら容器は流しへ、蓋は調理台の隅へ移動する
2) 蓋の数が一定数を超えていれば捨てる
(ルールは2つ)

そこで、今の自分にとって強い必然性は何かを考えた。
取っておく意味を見出す(見出してしまう)から取っておきたくなるのだ。
だから、その対偶を取れば、処分に踏み切れるスイッチは取っておく意味がないという実感があることだ。

使うためにとってあったものの中から、使っていて劣化してきたものや使ってないが劣化してきたものを取り除き、ごみ袋に入れる。
次に、そこに置いてある理由がないものを選び取る。本当に使い道がなさそうなら、あるいは使い道があっても費用対効果の面でコスパが悪そうであればダメだと判定し、これもごみ袋に入れる。

「そこにある理由がないもの」という一言が得られ、 自分はその価値判断が可能だという理解ができた。

■食品は使う日を決める

そこにある理由がないものの中には、食品も含まれる。貰い物だが普段の食生活に馴染みがないせいで忘れて置きっぱなしになっていたものがいくつかあった。 賞味期限が大きく過ぎていれば健康に害が出るので、処分もやむなく、めちゃくちゃ謝りながら処分するのだが、まだ問題ないものはそうもいかない。かといって、そもそも日常に馴染んでないものが無意識に習慣の中に入り込んでくることはない。

そうなると、“イベント”にするしかない。
その食品を主役にして組み立てた。平たく言うと、使う日を決めた。
普段、冷蔵庫には水出しのほうじ茶をストックしているが、これの代わりに1.5Lペットボトルのお茶を一本、ほうじ茶のポットの定位置に置いた。緑茶はお手洗いが近くなりやすいのだが、平日なら電車に乗らないので、そのことでは困らずに済むかもしれないと考えた。

床に置いていた大きなペットボトルが減って、台所が広くなった。

片付けを振り返ってみる

■形を与える。手順には名前をつける
作業が早い人というのは、往々にして自分なりの手順を確立している。見るべきポイントがはっきりしている。筋道が頭の中にイメージが思い浮かんでいる。脳裏に作業手順のフローチャートがあり、行き詰まったときの対処法データベースが別途ある。

今回の片付けで見出した手順がこれだった。名前を「ごみの始末」とつけた。 始末をつけるという表現は、確か本来は“物事の始めと終わり”という意味のはずだ。 語気は強いが、生活に適用すると整理整頓を含む意味になる。とても好みだ。

引用 » 始末(しまつ)の意味 - goo国語辞書
参考 » 何気ない日常を見直すきっかけに。丁寧とも豊かとも違う「始末のいい暮らし」とは? | キナリノ


手順の一式は名前を付けてパッケージする。
瓶に次いで出せないのがペットボトルなので ペットボトルも 加えた。手順を確実に遂行できるようになるのが先なので 、所要時間はまだ不明としておく。

ごみの始末
・劣化したものは燃えるごみの袋へ
・びん は 袋へ
・ペットボトル は 袋へ
・他、そこにある理由がないもの
・置きっぱなしの食品をいつ開けるか決める

■手順として適切かどうか
手順として適切かどうかの判定は、おそらくこんなところ。

完成形がイメージできるかどうか。
文字に起こさなかった過程を、文字で書かなくても自在に行動として取れるかどうか。

今回は、ついでに“そこにある理由がないもの”という考え方を掴むことができたので、 ひとつ新しい成果も得られた。

短い言葉にこだわったのには理由がある。
なるべく短い言葉に抑えることで、盛り込める行動が制限される。すると、わりと自然に具体的な手の動きがイメージできる範囲、物の動きがイメージできる範囲に留まる。
逆に、短い言葉に抑えた結果、文字に起こさなかった過程を自在に行動へ移せなかったとしたら、それは言葉の言い換えや言葉の追加が必要がある、ということなのだと思う。 
手順書は愚直であれ、といったところだろうか。

■まとめる

食器洗い(20〜30分)
↓をしたら、
ごみの始末
・劣化したものは燃えるごみの袋へ
・びん は 袋へ
・ペットボトル は 袋へ
・他、そこにある理由がないもの
・置きっぱなしの食品をいつ開けるか決める

これで少しは、自分の片付けもスムーズになるかな。

■終わりの雑談
台所が広くなった。瓶に着手し始めてから約40分だった。

ミスドのドーナツはもうひとつ買ってあったので、
カフェオレをお供にポン・デ・黒糖でおやつにすることにした。

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