幸せのかけらを拾い集めては自らに問う幸せですか?
暁に飛べない鳥が鳴き叫ぶ 悲しい、悲しい、悲しい
嘘ばかり交わす電子のテーブルで突きつけられる愛の銃口
偶像に送る空虚な羨望の行き着く先は荊、荊
葉を落とす桜は語る過ぎ去りし時と戻らぬ君の空白
静寂を鳴らす月の音天高く波打ち際に御影は揺れる
秋雨よ秋雨よ未だ忘れ得ぬ過去を冷たく洗い流して
後悔を吐いたばかりの裂目から滴り落ちる罪悪の蜜
真青な淵の底へと落ちてゆく躰だけを水面に残して
両腕を失ってなお溢れ出る欲望の行き着く先はなく
僕だけに微笑みかけるシスターは祈るここではないどこかへと
花びらのように光は瞬いて午前三時のコンビニの中
さよならの一言だけが言えなくて茜に染まる嘘みたいな日
いつまでも手の届かない場所にいる私の体、私の光
透明な膜の向こうのあなたとはわかりあえないサラダの味も
燃えつきた夏の遺灰を吸い込んだ金木犀の香りが揺れる