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キノピー菌誕生秘話②

の続きです。

当時、乳酸菌に重金属を吸着させればそのまま体外へ排出できるのでは?と考え乳酸菌を重金属のデトックスに使う研究をしていた。放射線に関する知識は殆どなかったが、同じようにセシウムやストロンチウムを吸着する乳酸菌がいれば内部被曝の低減に使えるのじゃないかと思い研究をスタートした。2011年のことだった。

簡単に見つかると思っていたが甘かった。予想に反してこの実験はなかなか上手くいかなかった。水銀やカドミウムでは比較的よく吸着したのにセシウムやストロンチウムを吸着する菌はなかなか見つからなかったのだ。

でも諦めずに研究を続けた。

研究室保有の菌を増やすために新たに菌を単離して行った。そして、やっと少しだけ吸着してくれる菌が見つかった。1ppmのセシウムまたはストロンチウム溶液に乳酸菌を入れて、しばらく置いた後に菌を取り除き濃度を測る。それを繰り返す。

そうやってセシウムとストロンチウムを吸着する乳酸菌を見つけた。それが後のキノピー菌だった。

だが私はキノピー菌のポテンシャルをまだ甘くみていた。

に続く

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