今週のkinologue【8/15-21】
毎年この時期になると、Facebookがフィンランドにいたことを思い出させる。最後に行ったのが2018年。もう4年も前になる。その間にフィンランドにいる友達には子どもが産まれ、お世話になった人が若くして亡くなっていた。4年とはそういう時間だ。2012年から出来る限り参加してきたヘルシンキの映画祭もここ2年はオンライン参加。今年もオンラインか〜と悠長に構えていたら、映画祭申し込み締め切り日のお知らせが届いた。あれ、今年はオンラインないんだ!と初めて気づく。ヨーロッパはもう通常営業なんだから、当たり前か。そこでおずおずと事務局に連絡。「今年はオンライン参加できないみたいだけど、参加費払えばオンラインでスクリーニングや資料を貰えたりする?」と問い合わせると「あなたは映画祭の友達なんだから、無料で見られるようにするから大丈夫よー!」とすぐに返事が来た。ありがたや。2019年は招待が来ていたのに『サウナのあるところ』の公開と被って行けなかったので、いつの日か再び招待して貰えますように🙏
何だか色々上手くいかず、暗い気分で迎えた週末。いやいや、明日はこの夏のハイライトではないか!朝早くから出かけるし、寝てしまえー!と早寝。
昨日のことだが、『〈主婦〉の学校』AFTER BOOKの家内制手工業地獄を支えてくれたSPARKSがサマソニ出演で来日して、『スパークス・ブラザーズ』上映後にトークイベントがあったのだ。正直4月にこの映画を観るまではSPARKSって誰?状態だった。『アネット』の原案&音楽のバンドか〜くらいだったが、『アメリカン・ユートピア』のスパイク・リーに続き、エドガー・ライトがドキュメンタリーを撮ったということで俄然興味が。音楽好きのコア層以外でこの映画を観たという人は聞いたことがなかったが、観たらどハマり。その日からずっとスパークスを聴いてツラい作業を乗り切った。その間、70代後半になりつつあるメイル兄弟@SPARKSは、ヨーロッパ・ツアーを精力的に敢行していて、公演後すぐにアップされるYouTubeフルバージョンを聴きながら、精神的にどんなに助けられたことか。ようやく彼らの音楽に馴染み、お気に入りの曲も出てきた状態で再度『スパークス・ブラザーズ』を観なければとずっと思っていた。が、わりとすぐに上映終了。興収2,000万くらいだったそうだから仕方ない。その後、SPARKSから気持ちが離れていたが、つい最近来日トークイベントがあることを知り、久しぶりにチケット争奪戦に参戦(銀座蔦屋のトークイベントは敗北)。存在を知ってから半年以内に本人を見ることが出来るとは思わなかったが、これは旅行も行かず、地味な夏休みのご褒美だよね〜とウキウキして当日に。
想像していた通り、この映画を観た直後に本人たちが登場するというのは奇跡のよう。こんな幸せな瞬間を体験できた人たちって、この日のシネクイントの150人くらい以外に世界でどれくらいいるのだろうか。『アネット』では冒頭に登場するが(ここも号泣シーンだったけど)、観終わった頃には呆然として感動が薄れてるに違いないw 金曜はソニマニ@幕張、土曜はサマソニ@大阪というライブの中日にトークイベントを3本こなす70代ってすごい(そのスケジュールを立てたプロモーター?もすごい)。 50年のキャリアを支える体力づくりと日々のルーティンを欠かさないのは劇中で見たが「常に前を向いている」という姿勢をトークで目の当たりにした。2本の映画で新たに自分たちのファンになってくれた(私みたいな)人たちにとって、次のアルバム(もう出来ているらしい)が初めてのスパークスになるのだから、その人たちをガッカリさせたくないという。そうやって変わり続けてきたのか、、、なんてカッコいい70代!全世代にリスペクトされるイマドキな生き方を音楽ファンしか知らないことが本当に勿体ない(本人たちは全く気にしていないでしょうけど)。メイル兄弟以外のSPARKSメンバーは何度も入れ替わっていて、現在の若いメンバーが劇中で語っていた通り、人間的にもリスペクトされる人たちだとわかったのが、最後の記念撮影後、ロンはわざわざMCの岸野さんに近寄って「今回ずっとお世話になっているんだよね。ありがとう」と言ったり、お客さんだけでなく、この企画を実現させてくれた全てのスタッフに感謝の言葉を述べた。これまで何度となく舞台挨拶やトークイベントに立ち会ってきたが、ここまでする人たちは見たことがなかった。
ホント見習いたいところがたくさんある素敵な人たちだった〜
と、朝から元気をもらった後、西館の開放日だと思い出し、日本民藝館の「沖縄の美」へ。今週末までだからさすがに混んでるなぁと並んでいると、数年ぶりに知り合いと偶然再会。会いたいなぁとずっと思っていた人に会えるなんて、SPARKSのおかげかも〜とさらに良い1日になった。