今月前半のkinologue 【4/1-16】
ひと月分を雑にまとめた前回から、週1note復活!といきたかったが、一度なくなってしまった習慣はなかなか取り戻せないもの、、、でも備忘録はやっぱり大事。ということで、とりあえず半月ちょっと分を超ロングにおまとめ。
全国順次公開中の『マイヤ・イソラ 旅から生まれるデザイン』。kinologue配給作品全てを上映して頂いている神戸・元町映画館にて4/2にマリメッコ古着市で全国的にも有名なマルカ大垣さんのトークイベントが開催されることに。「何かやりましょうよ!」のムチャぶりにいつも応えてくれる元映・高橋さんが、今回もマルカさんとのコラボ企画を立ててくれた。「マイヤの勉強始めました〜」という大垣さんからのメールにもそそられて、神戸行きたいなぁ、、、でも1日も3日も用事があるんだよね、うーん。更に、追い打ちをかけるように「京都近美の『リュイユーフィンランドのテキスタイル:トゥオマス・ソパネン・コレクション』マジで観に行った方がいいよ!全部持って帰りたくなるから」と信頼できる筋から強烈なプッシュ。え?京都と神戸を日帰り?熟考の末、思いついたのが深夜バスで前日出発する24時間の旅。なんか春休みっぽいじゃん。久しぶりすぎる深夜バスは学生がいっぱいだった。12時の消灯後、ちゃんと寝たのかよくわからないまま、あっという間に「京都に着きました」のアナウンス。わ、30分も前に着いている!慌てて降りると、さむー! うっすら夜が明けつつある京都はまだ人通りが少ない。コーヒー1杯飲みたい!というささやかな願望もかなわないほど、京都駅近辺はどこも開いてない。最初の目的地、サウナの梅湯が6時にオープンなので、その前にコーヒーを、、、と歩き続けると鴨川沿いの七条の交差点に24時間マック発見。一息つく。マックのモーニングに惹かれつつも、梅湯後に美味しいモーニングをガッツリ食べる予定だから、ここはコーヒーだけでガマン。
2019年秋以来のサウナの梅湯。春は川沿いの桜がきれいなんだろうなぁと思っていたから、この時期に来れて嬉しい。オープン早々に行ったが続々とお客さんが入ってくる。相変わらず年齢層が幅広く、この時間に外国人がいるのが京都っぽい。梅湯は水風呂デビューの思い出深い銭湯なので、サウナ→水風呂も3回いきたかったが、ムリせず2回にとどめる。しかし、朝サウナで目が覚めるって最高じゃないか!気持ち良く風にあたれる2階の休憩スペースが、コロナ禍の間に荷物置き場→事務所になっていたのがざんねん。桜が同じ目線で楽しめると思ったんだけど。
梅湯のご近所レバノン料理屋「汽」でモーニングを食べれたら更に最高!と思っていたが、思いつき客に人気店は甘くない。覗いてみたが「いっぱいですね」。次回は要予約。
この先にコロッケ屋あったよね!と思い出したが移転したらしい。しかし、日曜朝8時前のこの辺り、視界に外国人しかいない瞬間が。在住者も観光客も朝早くから動いている。イノダコーヒーのモーニングが長蛇の列だったので、同じ通りにあったホテルのモーニングで手を打つ。お腹が空いてもう頑張れない。ここも外国人家族でいっぱい。モーニング自体はそこそこだったが、ホテルのロビーで去年、猪苗代のはじまりの美術館で見た「THE COPY TRAVELLERS」の展示がされていて嬉しい偶然。こういうのって、高鳴る。
暖かいし、マスクも外してぶらぶら歩き。京都の最終目的地、近美へ。春の光景が広がる。
外国人観光客、お花見客、立命館大学入学式の新入生と父兄、平安神宮の桜よさこいのダンサーでごった返してカオスなエリアにある近美に到着。ここは静かだ。
リュイユはフィンランド語で「織物」。確かに「テキスタイル」は正しいけど、「フィンランドのテキスタイル」って言われたら、十中八九マリメッコとかフィンレイソンでしょ、思いつくのは。なので、もうちょっとサブタイトルに工夫がほしかったと、要らん文句をつけたくなるのは、それくらい展示が素晴らしかったからだ。東京に来ないし、玉石混交のフィンランド・デザインの展示に埋もれてしまってホントもったいない。ここには「知らなかった」フィンランドの世界が広がっている。いや、知らないじゃなくて「気づかなかった」が正しいのかも。改めて家にあるフィンランド・デザイン展示のカタログ数冊を見てみると、リュイユの大きな転換点となった1900年パリ万博の展示はどれにも載っていた。
なぜ気づかなかったのか、を考えたら、そこにはさりげなく「ラグ」と書かれていたからかもしれない。インテリアのアイテムの一つのとしてとらえて、工芸品として見ていなかったのだろう。しかし元々、庶民がブランケットやベッドカバーとして作っていたのがリュイユだったので、当然といえば当然かも。そして有名なこの1枚から先のリュイユの発展は、国立博物館とこのコレクションでしか追えないよう。ナルホドね。アーティストによる美しい工芸品でもあり、手仕事好きな手工芸友の会の人たちがDIYキットを作ってリュイユの伝統を守り、アーティストもデザインを提供して協力というのが、暮らしのデザインが上手なフィンランドらしい話。リュイユの一つ一つをじっくり見ていくと、自然な色彩の豊かさに見とれてしまって、友人が言っていたように全部持って帰りたくなる。倉敷ノッティングに出会ったときにも思ったが、家に一つでもあったら幸せだろうなぁ。次回フィンランドに行くときにはリュイユに注目してみようと楽しみが増えた。
先を急ぐ旅なので、カタログを買って神戸に行く電車で読んでいたら、なんと、マリメッコ創業者アルミ・ラティアが結婚する前に作ったハーフ・リュイユを発見!アルミはデザイナーとしても才能がある人だし、リュイユを作るのも至極納得。ヴオッコやルート・ブリュック、ティモ・サルパネヴァといったデザイナーもリュイユを制作していたとか。アアルトは無駄なアートとして毛嫌いしていたというのも、アアルトらしくて納得。そして、我らがマイヤの名前が出てこないのもわかる。マイヤは画家なのだ。色や形には尋常じゃないこだわりがあるけれど、自分のデザインがどんな織りで作られるかとか、どうやって染められるか、とか全く興味なさそう。それが柚木沙弥郎さんとの違いだと、先月末に民藝館で展示を見たときに思ったのをまた思い出した。神戸に近づくにつれて、段々と気持ちはマイヤ・モードに。
2年ぶりの元町映画館に到着。上映開始前日に届いたファブリックボードとパネルがロビーに飾られている。神戸在住のマイヤが大好きなコレクターさんが、小さい柄のファブリックを提供して下さったおかげ。そうでなかったら、マリメッコ店舗にて販売中のファブリックは大きい柄ばかりであとはウニッコしかなく、ファブリックボードのディスプレイは諦めていただろう。なので、メイン館の後は神戸に!と決めていた。そしてカウンターに座っていたスタッフさんがマリメッコを着用されていたのが嬉しい😭「男性用のシャツってあまり日本で売ってなくて、フィンランドでやっと買えました」との話にまた😭今回イベントを企画して下さった高橋さんに会えなくて残念だったが、商店街を少し歩いた先のトークイベント会場に移動。昔は書店だったビルにあるコミュニティスペース、まちラボへ。
まちラボの奥にマルカ大垣さんがマイヤのヴィンテージ・ファブリックでいっぱいの空間を作っていた。さすが珍しいものばかり!
上映後に参加者の皆さまがご来場。ちらほらマリメッコを身につけている方がいて、30年前にフィンランドで買ったというバッグを引っ張りだしてきた!という方も。
トークはゆるやかに始まり(ツッコミ役としてMCになれば良かったかも、と始まってから思った)、映画の中で大垣さんの注目ポイントから、マリメッコやマイヤについてのお話、デザインの名前当てクイズなどの後に、熱心な参加者の方々からの質問に大垣さんが答えたり、あっという間の1時間でした。
元町映画館さんのイベントレポートはこちら
イベント後にご無理を言って、マルカさんに寄らせて頂く。マリメッコ・フェア中で色々見せて頂いた。さすが2000年代から買い付けに行っている大垣さんしか手に入れられないようなものがいっぱい。いちごとルバーブのデザートを頂いたのも束の間、タクシーで新幹線に飛び乗った。慌ただしかったがやはり行って良かった。旅が人生にいかに大切なのか、マイヤが映画の中で教えてくれている通りだった。
翌日はお招き頂いた婦人之友社120周年の記念イベントへ。去年の秋はここで『〈主婦〉の学校』の上映をして頂いたのだよなぁとしみじみ。座談会では大学院ではゼミ生でもなかなかお目にかかれない林香里先生が、愛読者としていつもとひと味違う柔らかい雰囲気で素敵だった。その後のコンサートもお庭でのお茶会も和やかな時間が流れた。そして、私ができることは何かを考える良き刺激になった。
「旅するファブリック」と勝手に名付けて、劇場から劇場へ、映画に合わせてマイヤのファブリックも旅に出ている。お馴染みのシネコヤさんにもやってきた。「ウィンドウに布を飾ったことないです!」というのをご検討いただき、とっても良い感じの仕上がりになった♪店内のディスプレイもぜひご覧下さい。
上映が始まる劇場があれば、終わる劇場もあり、恵比寿ガーデンシネマの最終回に滑り込んだ。何度も観ているが、最終版を劇場で観たのは初めて。何度観ても発見があり、やっぱり愛おしい映画だ。レーナ監督に感謝。そしてモーレツに旅に出たくなった(行ったばかりだけど)。
恵比寿で観られるかなぁとおっしゃっていたところ「シネコヤで始まりますよ!」とお伝えしたら、ホントにシネコヤにいらして頂いたザジフィルムズの志村さん。これから小田原まで30キロ走ると伺い、ひー。すごすぎる!そんな貴重なランナー姿の志村さんの写真を撮らなかったのは一生の不覚、、、またの機会を狙わねば。本当にありがとうごさいました❣️
数ヶ月遅れの誕生日フレンチ後、江ノ電の石上駅にて制作中の壁画を発見。3年ぶりに賑わいを取り戻す初夏への準備か。こちらも次の準備を始めていかなきゃね。そんな気持ちになってきた4月前半。4600字も書かなくていいから、後半は週1noteを復活させよう。
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