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先週のkinologue【4/8-14】
安定の2週連続「先週の」kinologue。先週末から週明けが濃すぎたので、余裕が全くなく仕方なし。一本桜は咲いてなくても、美しい岩手山(鷲の形に見えてくると春の合図)の景色にエネルギーチャージ。日常から遠く離れること、旅は人生に必要だ。
「婦人之友」連載3回目が12日に発売。今回取り上げた作品は『異人たち』と『ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ』。「できれば2本」と言われているので、1本でも可なのだけれど、そこは駄文でも2本ご紹介したくなるのが宣伝ゴコロとでもいいましょうか。それも2本に何かつながりを持たせたいという自分の首をしめる設定をしてしまい、今回も色々考えた末「家族の絆」というテーマで括ることに。「家族」に「会う」という動詞は、本来はあまりふさわしくないと思っている。自分の居場所に自然と「いる」のが家族で、わざわざ「会う」ものではない。だからこそ、いなくなったときに「会いたい」と切実に思うのも家族なのだ。
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しかしカップルのように見える母・息子の方がぐっとくる。
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半ばから大学院ゼミも非常勤も始まり、新年度がいよいよ始まった。「テレビの歴史やったりグループワークとかもあるよ。とりあえず初回出てみればいいんじゃん」と先輩が後輩に伝えている横をひっそりと通る。なるほど、私の授業を説明するとそんな感じなのね。そうこうしているうちに学会のシーズンになるので、梗概集の締め切りにも追われた。カフェで書いていると、隣で履修授業の相談をする大学生二人組。「あの先生、ないわ〜」とか言われていると、ちょっとドキリ。お互いに探り探りの4月ということか。
とっくに春休みは終わったというのに、週末は青森〜岩手の弾丸旅。見逃したフランク・ロイド・ライト展が青森県立美術館であり、開催期間を考えるとこの週末しか行けないし、おまけに県美を設計した建築家・青木淳のトークまである!それは行くしかない!ということで、お昼前に新青森に到着。持っていった薄手のダウンが全く必要ない暖かさで、拍子抜け。二度目の青森県立美術館は、この土地にしかない雰囲気が良いし、棟方志功、寺山修司、奈良美智など青森出身のアーティストだけでも充実。企画展のセンスがいつもツボで、今回は「美術館堆肥化宣言」が面白すぎた。出展アーティストは「堆肥者」、関連イベントは「追肥」。トークの時間までにライト展と合わせて見るには時間が全然足りなかった。ここで昨年配給権利切れの前に『YARN〜』の上映をして貰ったのは本当に嬉しいことだったなぁ。
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なぜこんな曲があるのかはわからないとか。なんだそれw
県美の設計者でありながら会場構成をやったのは初めてという青木淳から、91歳まで生きたライトの人となり(女性に影響されてきた人生と分析)や日本(最初に来た外国だったとか)との関わり(自由学園や帝国ホテル)などの解説があってから、汐留に続いて会場構成を担当した佐藤熊弥(青木の孫弟子らしい)とのトーク。ホワイトキューブと土の空間が混ざった独特な会場にどうやって落とし込んでいくか(たった4日でつくるとはびっくり)、場を熟知している青木と展示を熟知している佐藤のそれぞれの視点と驚きの化学反応で出来上がっていったのが、その後のギャラリーツアーでの解説も含めてよくわかった。建築の展示は実物を持ってこられない分、とても難しいから、展示をつくるまでの話を建築家から聞けたのはとても興味深かった。
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温暖化で寒流が北上し、サケが遡上しなくなってきたとか。
日帰りはもったいないので、久しぶりに会いたい人たちがいるし、盛岡に行こう!と決めてから、思いがけない縁がつながりまくって、数年前からの憧れの地、早池峰山麓にある集落・タイマグラに行けることに(1泊延長!)。タイマグラとは「森の奥へ、続く道」という意味で、本当にその通りの風景が広がっていて、海沿い暮らしの身には全てが新鮮すぎた。
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その間にあるハンモックは気持ちよいだろうなぁ♪
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森の暮らしを伝える、宝物のような人だったとか。なんとかして観たい!
宿泊した民宿フィールドノートにて、初めての五右衛門風呂とコンポストトイレ。これまで無意識だった無駄な水の音がなく、なんと穏やかなのか。外に広がる自然との境がなく、自分もその一部であること、自分は先代から受け継いできたものと次世代に伝えるものの間にあり、個体としての死は本当の死ではないのかも、などとボンヤリ考えたり、友人と語りながら、タイマグラをあとにした。この自然と、ここに暮らす人たちに会いにまた来たい。