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入院日記の逆襲 6

から続いてます)

人体の驚異に思いをはせていたら 「ちょっと痛いよ」 という声がしました。左手首に麻酔が打たれます。 

痛いよ~~~~~すげえ痛いよ~~~~~ 

これはマジ痛いです。ちょっと泣こうかなと思うくらい。しかしすぐに麻酔が効いてきて、何カ所か打ったようですが最後の方はほとんど感覚がありませんでした。すごいものですね。左上腕とか左肩あたりは麻酔の影響がないのです。そんな風にピンポイントに神経の居場所や働きがわかっている今の医学というものに驚嘆しました。今日は驚くことばかりだ。 

さらに驚いたのは、カテーテルを手首の動脈から入れて心臓の血管まで持って行くのですが、何も感じないのです。大腸検診とか胃カメラとは比べものになりません。血管には神経がないのか? 調べてみたけどよくわからな~い。

だいたい、手首の動脈に穴を開けてカテーテルを通してるんでしょう?

血は流れ出ないのですか?
血は止めてるの?
どうして私は「手首を切って」いるのにぴんぴんしてるの? 

ワカリマセーン、でも、生きてて左手だけ麻酔も効いてるから全然痛くなーい。 不思議なことばかりであります。 

そして究極のびっくりは、顔をちょっと曲げて思い切り横目でがんばると、自分の心臓あたりと冠動脈がでかいモニターに映っているのが見えるのです。動画で。 

うひゃーうひゃー! 

そのモニターを見ながら、先生(何人いるのだろう? ふたり? 3人?)がなにやら相談しています。 いや、相談しに行っちゃったのか? これまたよくわかりません。 

だいたいカテーテルをやっているのは、テレビで「神の手」とかいって出てきそうなこの病院の看板先生なのか、別の若い先生で看板先生の指示を仰ぎながらやっているのか、それもわからない。

だってみんな大きなマスクしてるんだもん。

男か女かもわからないし、私自身、めがねを外しているのであんまり見えないわけですよ。 唯一わかったのは、現時点で複数のカテーテル検査が平行して行われていて、看板先生が行ったり来たりしているらしいこと(さゆり看護師情報)。ここは救急病院なので外来から急に呼び出されることだってあるみたいで…… 

ええええ、じゃあ緊急の患者さんが救急車で運ばれてきたら、私は手首から心臓にカテーテルを入れたままここで待ってなきゃいけないってこと? 

でも痛くもかゆくもないですよ。 意識もはっきりしてるし、右手と両足は普通に動くし。モニターに映ってる心臓、ちゃんと動いてるし。 

そのうち、ばたばたと人々の気配がして何かわからない専門用語が飛び交い、あれよあれよという間に処置が終わったのでした。 

「森野さん、終わりましたよ」 

前回の胆嚢摘出と違って麻酔から覚めるわけではないので頭もはっきりしています。 ささえてもらって身体を起こしましたが、左手首の感覚がなく強力にバンドで締め付けられているだけで、あとはどこも何ともありません。

ゆっくりとベッドを降ります。 車いすが用意されていたのでそれに乗りますが、まあ歩けって言われたら全然OKな感じ。 

心臓の処置をしたんだよね? 

そして「トイレに行きたいんです」と言ったら「どうぞ」と言われ病室前のトイレで車いすが止まりました。 

そのまま立ち上がって自分でトイレに入り用を済ませて出てきたら、車いすはもうありませんでした。

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血管の中にステントを入れて狭窄がなくなったアフター画像。

(続く)

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