30 day book challenge 第17日
別の記事を投稿していて1日あきましたが、第17日。
「タイトルに人の名前が入っている本」です。
いろいろありますね。「フォレスト・ガンプ」とか。「不思議の国のアリス」もそうだ。「ブリジット・ジョーンズの日記」なんてのもありました。これは映画も見たな。「山椒大夫」だってそうだよね。
ここでは高校生のころ読んだこれをあげたいと思います。準古典?
「ジェーン・エア」 シャーロット・ブロンテ
映画にもなってるし研究本もたくさん。訳も各社からいろいろなものが出ています。ドキドキハラハラな波瀾万丈物語で、ちょっとハーレクイン的な展開でもあります。
ジェーンは孤児。いじめられて育ち、9歳で入れられた慈善学校で良い先生や友だちと出会うも、学校の衛生管理の悪さから友人は結核にかかり死亡。ジェーンはその後しばらくして貴族の家の家庭教師となります。
この貴族がロチェスターと言ってね、そう見た目の良い人ではないように描かれてます。で、身分違いにもかかわらず恋に落ちて結婚しようとする2人なのですけど、実はロチェスターには気の狂った妻がいて、屋敷に閉じ込めていたのでした。
うわあ、うわあな展開でしょ。ジェーンのその後と結末はご自分で読んでいただくとして、この本をあげたらどうしても一緒に紹介しておきたいのがこれ。
みすず書房から出ているんだけど、みすずのホームページにはもうこの本が掲載されていません。絶版になっちゃったのかな。今読める新しいのは池澤夏樹が編集した世界文学全集の中に入っています。
サルガッソー海は北米と南米の間の大西洋の一海域をさします。「バミューダ・トライアングル」として船の遭難やら何やらが多いと言われる場所もこのあたりだそう。
ところは中米ジャマイカ。植民地生まれ(クレオール)のアントワネットは白人であり、かつては支配階級であったが落ちぶれた家庭で安らげない子ども時代を過ごします。母の再婚相手からの持参金を持ったアントワネットはイギリスから来た貴族の次男と結婚しますが(させられますが?)、夫は長男である兄が亡くなりイギリス本国の家督を継ぐことに。夫の名はロチェスターといいました。
そう、これはまったく逆側から見た「ジェーン・エア」であり、幾層にも重なった支配・被支配と引き裂かれた文化の物語。胸がえぐられるような「理解しあえなさ」が玉突きのように続くので、気力のある時に読んでください。
それにしても同じ物語を違う方向から見るとこんなに異なるものでしょうか。どこかでボタンを掛け違えなければ、どこかで歴史が異なっていれば違う方向に進めたのでしょうか。ジェーン・エアの物語以降の一生はどんなものだったのでしょうか。