見出し画像

空港、飛行機、それから古代史

#チコちゃんに叱られそう日記  24日目。

休暇を取って親の介護に行く。

介護と言っても母はこのウィルス禍で面会できない。実家で一人暮らしをしている父に会いに行っておさんどんをするだけだ。けれど実家に行くには飛行機に乗らなくてはならない。正直、あれこれ工夫してもけっこうな料金でボーナスの大半は実家帰りにつぎこまれている。家族が文句を言わないのでありがたい。

新千歳空港は、こういう事態になってからというもの、あちこちにシャッターの閉まった店が目につくようになった。いつもは人が並んで列をなしている有名店も楽に利用できてしまってやるせない。空港全体の人口密度が低く不安な気持ちになる。特に手荷物検査を通り過ぎた後の搭乗待合では、昼時にかかるたびに利用していたフードコートが閉まってしまい、ランチ海鮮丼が食べられなくなった。他に寿司店もあるので海鮮がないわけではないが、お気に入りの店が閉まっているというのは悲しい。

でも、今日はショコラティエ・マサールのお店が開いていた!

ここはチョコレートの専門店で、珈琲もチョコも一風変わったサンドイッチなどのフードも正直、高い。でもマリメッコの布地をプリントしたようなチョコブラウニーと珈琲を小さなイートインでいただくときの特別感がなんともたまらない。ずっとシャッターが閉まっていて前を通るたびに寂しい思いをしていたので、開いているのを見て(時間も余裕があったし)飛び込んでしまった。胃はかなり回復したのでカフェラテと、つやつやした光沢のある惑星みたいなフランボワーズとほうじ茶のチョコを注文した。扉絵の、左側手前にあるのがそれ。

そもそも「いらち」気味で長い時間鉄道に乗るのが苦手なので空港を利用することが多い。もう少し皆が行き来できるようになってお店も開いたら、国内線搭乗待合内の食べ物屋さんとショップを紹介しようかな。「マイナー北海道」っていうマガジンも持っていることだし。たとえばJAL側のいっちばん端にコンビニがあるのよ、とか。スナッフルズ(函館の有名スイーツ店)のシュークリームのばら売りがANA側にあるよ、とか。今はまだ閉まっている店もあるけどね。

いつものように飛行機に乗り込んで、出発を待つ間にANA国内線の非常用設備紹介ビデオを見る。

いまやっているのは歌舞伎役者総動員でいかにも日本!という感じの凝った動画。とても印象的でオリパラを目掛けて作ったものと見受けられる。でも、それがまだ放送されていることに一抹の切なさも感じる。とうとうやっちゃったよねオリパラ、という気持ちとか、イベントめがけて前々から力を入れて作られたんだろうな、とか、祭りの後のさみしさみたいな気持ちとか。

画像1

今回はWi-Fiが使える機体だった。機内Wi-Fiのプログラムは心なしか減ったような気がする。「翼の王国」という機内誌を見るのが楽しみだったのだけれど、それも紙媒体は無くなっちゃった。スマホには以前から機内Wi-Fiが使えるようにアプリを入れているが、これ、正直なところ小さすぎて見辛い。本はやっぱり紙が好きだな、ページをめくるというその動作が次の文章や画像への期待を高めるよな、なんて思う。

いろいろ乗り継いで到着した実家はいつもの通りだった。でも父が、帰るたびに少しずつ老いていくのを感じる。だって90歳を超えているんだもの。普通に話ができて一緒のご飯を食べられるのが奇跡なのかもしれない。先日読んだ本にあったという日本の古代~中世史の話をいろいろ聞かされたけど、わたしたちの世代は歴代天皇の名前を覚えさせられたわけじゃないからそう次々にいろいろ言われてもわかんないんだよね。また明日聞くわ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?