美容師の友達
わたしはずっと、美容院にお金を払ったことがなかったんです。
中学生の頃はお金を払っていたと思うのですが、16歳になってからはアルバイトで美容師さんが読む雑誌のモデルや、ショーに出るアルバイトをしていたのです。
1回で3千円〜1万円くらいもらえたのですが、当時まだ10代でしたのでとても貴重なお金でした。
色々な美容室でアルバイトをしている中、まだスタイリストになったばかりのMくんと出会ったのは18歳のころでした。忘れもしない下北沢で声をかけられました。
こちらはお金にならないカットモデルですが、Mくんはとてもセンスが良く、かっちりしたスタイルではなく、空気感のあるおしゃれな雰囲気のスタイルが得意です。
18歳の頃から現在もMくんがわたしのヘアカットをしてるんです!30歳は超えているので長い期間です。(ちなみに30歳〜60歳は同じ歳と思っています)
Mくんは元々超有名サロンにいたのですが、ほぼ屍のように働いていて、自分の人生を見つめ直し、有名サロンを退職し、新宿にある普通の美容院に再就職します。
新宿の美容院はおしゃれとかではなく、普通の小学生からお年寄りまで来るような美容院でトイレにはセンスのない装飾がされていました。
チェーン店らしくお店自体もなかなか大きなお店です。
お店のトイレの装飾にイライラしながらMくんは働いていましたが、あっという間に店長になり、トイレの装飾も捨ててました。
普通の美容院に移ってからもわたしは昔のよしみで無料でカットをしてもらっていました。
新宿のチェーン店で何年くらい働いたのか忘れましたがある日、自分のお店を出したいと言われたんです。わー!すごい!独立だね!
それから数年小さな小さなMくんのお店がオープンしたんです!Mくんしかいない、完全予約制のお店です!もちろん椅子も1つで、友達と、友達の家族、友達の友達くらいしか来ないらしいです。
それでもいつも予約で埋まっているんです!カットがすごく早いのでカットのみだとひと枠1時間だそうです。
独立したMくんのお店に通うようになってから初めてわたしはヘアカットにお金を払うようになったんです!!今までずっと無料にしてもらった分ずっと払っていくつもりです。
Mくんは美容に真剣です。美容と韓国ドラマが好きです。
汚い言葉は使わないのですが、少し意地悪な女子みたいな言葉遣いです。
小田切ヒロさんをもう少しお兄さんっぽくした感じというか。。。
顔が少しでも汚れていると(吹き出物とか)汚くない?と言われたり食べすぎて顔に肉が付くと、太った?と言われたりするので、顔とボディのコンディションを整えてからカットに行かなくていけません。。
あまり褒めないMくんがある日わたしのおでこを褒めたんです。「おでこ綺麗すぎない?」Mくんは最近自分のおでこの薄いシワを気にしているのです。わたしのおでこはボトックスだよ!というと美容に真剣のわりに美容医療のことは嫌いですぐに悪口を言うんです。
「ボトックス打ちすぎたお客さんひきつってたっもん」そうそう、何事もやりすぎはダメなのよ。分からないくらい微妙にやるとこうなるの。と教えました。
「こないだ信号待ちしてたらさ、肌が汚い女子のバッグからオーガニックコスメのサンプル出てて、オーガニックの前にまず病院って言いたかった」Mくんこんなこと言います。ちょっと意地悪な女子風ですよね。
そんなちょっと意地悪なMくんはいつも、わたしのヘアカットを外国人の寝癖風にしてくれます。不器用でおしゃれなアレンジが出来ないので、起きたままなんとなくおしゃれな雰囲気になるようなカットをしてくれて助かっています。
最近のわたしは老いで髪の毛に癖が出て来てしまったのですが、うまくその癖を使ったカットにしてくれて、何人かの方に「そのパーマかわいい」と言われました。さすがM様!!テンキュー!
これからもついていきます!!
それではアデュー!