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【破壊神マグちゃん】紹介と感想
ウェブで3話まで無料公開されてるので紹介します。このレビューは本編を読んだ後でも前でもどっちでもいいように書きますのでどうぞよしなに。
[第1話]破壊神マグちゃん/ジャンプ本誌新連載マンガ試し読み - 上木敬 | 少年ジャンプ+ https://shonenjumpplus.com/episode/13933686331670259962
公式予告動画<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/ERJVirtzI7g" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe>
【あらすじ】
<第一話>
600年前、聖騎士らに封印され眠りについた破壊神マグ=メヌエクは潮干狩りしてた中学2年生の少女、宮薙 流々(みやなぎ るる)の手で目覚めてしまう――。が、復活した破壊神は衰弱しており体はサッカーボールより小さく、パワーも大幅に減少していた! 流々に保護された破壊神はマグちゃんと呼ばれながら彼女の家に居候する。が、どんなに小さくて可愛くても破壊神。騒ぎを起こさないはずがなく……。
【感想】
新連載なのに十年前からそばにいたような安心感がある。読むと落ち着く、あったかくて優しい味のスープ。飲み慣れてる、というより飲まされ慣れてるという奇妙な郷愁を感じる。味噌汁か。
まず見た目が可愛い。オレンジ髪の流々ちゃんとやわらか~い薄ピンクのメンダコが並んでる時点で心温まる話なんだろうなあと予測できるしその期待にはしっかり応えてくれる。言ってしまえばケロロやイカ娘みたいなオーソドックスな人外居候モノなんだがとにかく安定感がすごい。
元気な頃のマグちゃんはめっちゃ強そうだし小さくなった今でもいちいち喋り口調がおどろおどろしいのに流々ちゃんとのかけあいが楽しくて自然と頬がゆるむ。少年漫画らしくけっこう派手な見開きもあるのに1話読み終わった時点で「なんだ……この感覚……?」って胸に手を当ててしまった。
2話のメイン、流々ちゃんに片想いする同級生の男子・錬の存在もいい。流々ちゃんを客観視してくれるのでしっかりキャラが立っている。世間での彼女の立ち位置の説明もさりげない。最後はしっかりオチがつく。好きだ。3話はマグちゃんの同族が登場するのだがこれももう読んでて「へへっ」って笑いが湧いてくる。あまりにもささやかな戦いだが彼らはいたって真剣で壮大なのが可愛いし面白い。
まだ4話(これがアップされる頃には5話)だが回を重ねるごとにマグちゃんの可愛さが増していく。奇怪な単眼のメンダコなのに可愛くてしゃーない。そしてその可愛さを享受できるのは作者の高い構成力の賜物である。気になるところにしっかりツッコミが入るので落ち着いて読むことが出来る。かゆい所に手が届く……孫の手か?
続けば続くほどキャラに愛着がわいて心地良くなるタイプの作品であるのは間違いない。最低でも10巻くらいは続いてほしいです!
【特にいいところ】
本作は今の週刊少年ジャンプに掲載されてることに意義がある。具体的に言うとチェンソーマンの鬱展開でズタズタになった心を癒してくれるんですよ。ネタバレになるから何も話せませんが。いやーほんと、マグちゃんとギャグ漫画陣がいなかったら致命傷でしたわ。マジで本誌閉じてしばらく無言になってたと思う。
笑いって大事だね。SAN値回復しましたわ。どう見てもクトゥルフなのに。でもやっぱり心が弱ってます。この感想記事書くために1話読み返してたら不覚にも泣きました。最初に読んだときは泣かなかったのに……。
一人一人のキャラが立ってる。今のところ嫌なやつがいない。ストレス溜まってて萌えアニメしか見れないって人も読めると思う。心配だなあって人は以下に作者の過去作品を紹介するので読んでほしい。
2012年JUMPトレジャー新人漫画賞受賞作|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト https://www.shonenjump.com/j/mangasho/treasure/treasureread2012.html
ここの上から3段目、真ん中の『2学期のミラージュ』(旧PN:木下敬次)がマグちゃんの作者の漫画です。簡単に言うと小学生の恋愛話です。8年も前の作品ですが納得いくストーリーと高い構成力は当時からかなりのものです。私はこれで作者への強い信頼を抱くに至りました。この人なら多少重い展開があっても悪いことにはなるまい!
【悪いところ】
思いつかねえ……。
うーん。人によっては古いとかありきたりとか感じるのかな。シュッとした絵柄じゃないし。私はそこが好きなんだが! ただ古いって感じたとしてもそれはそうだねとしか言えないんだよね。だってこういう話って王道だから定期的に何回も作り直される運命にあるので。ドラえもんだって作者自らオバQだのチンプイだのコロ助だの似たようなの描いてるし。
唯一気になる点をあげるなら父が死んで家計が苦しくて母が忙しくて帰ってこなくて元気系美少女中学生の流々ちゃんがほぼ一人暮らしになってしまっている点ですね。漫画だし……とは思うけど私が既に大人なせいか親目線を通り越して流々ちゃんを孫みたいに感じてしまい心配でしゃーない。
行政は何やってんだ! 変質者に狙われたらどうすんだ! マグちゃん番犬役頼んだで! 手加減なしでやったれ! なあに、お得意のビームで死体を焼失させればバレへんバレへん!
いやでも同年代の中学生から見たらどうなんだろう。親とうまくいってない子は一人暮らしを羨ましいと思うのかな。わかるわ。
【まとめ】
ジャンプは早くマグちゃんを立体化してください。
ぬいぐるみがいいけどPVCの小さいのもいい。机の上にそっと置いておきたい魅力がある……。
ときどきコーラのオマケにジャンプキャラの小さいフィギュア付いてくるじゃないですか。あれくらいのサイズだとありがたいです。うんと昔に当てた跡部様と首領パッチは今も宝物です。
最初に書いたけどこの味噌汁はしじみとか入ってて二日酔いの朝に飲むとしみわたるやつです。もっともシンプルな朝食を職人が心を込めて作ってくれた、美味しんぼでいうところの『もてなしの心』がそなわっている漫画。それがマグちゃんです。
あと私と同じく本誌派でマグちゃんをちょっとでもいいって思った人はアンケート頼みます! でも3つ全部同じ数字にすると無効票になるらしいから気を付けてね!