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マッチングした女性が、あきからに投資詐欺者なので、わざと会ってみた。
婚活で騙される。
わざと騙される現場にいきました。
貴重な人生経験でした。
記事を書こうと思った理由は2つです。
①この経験を誰かに話したい
②婚活界隈に蔓延る詐欺の実情を知って欲しい。
この5年で婚活市場が大きくなりました。
中高年に出会い系と呼ばれ続けてきたアプリ。
ペアーズは会員数が、累計2000万人を超えています。
利用者がこれほど増えるとは、5年前には想像できませんでした。
新しいものが世に出ると、情弱をターゲットにした詐欺が横行します。
例えば、「ロマンス詐欺」。
相手を期待させてお金を奪う、婚活界隈で問題となっている犯罪です。
他にも、
・宗教団体への勧誘
・不動産投資への誘い
・水商売への勧誘
・おじ狩り
婚活を頑張る人々の努力を踏みにじるような悪人がアプリ内には紛れています。
それがサクラであれば見分けがつきやすい。
なぜなら、
やたら会いたがるからです。
・お兄さんと会いたい
・ホテルいきませんか
・写真に惚れました、会いましょう
んなわけあるか!!
と、スマホに向かってツッコミ。
一番厄介なのは、本気かわからないときです。
本当に婚活している且つ勧誘だとわかりにくいです。
私が出会った人がまさに婚活→不動産投資勧誘の人でした。
不動産投資勧誘、私はこうして騙されに行った
アプリをはじめて半年くらい経ったころの話。
某航空会社で勤務のAさん。
のちに不動産投資の勧誘を持ち掛けてきた本人です。
メッセージのやり取りは、
・休みの日に何をしている
・よく出かける場所
・Aさんが趣味の社交ダンスの話
など普通でした。
ダンスをしているからか、プロフィールの写真を見てもスタイルがよかった。
チャットの雰囲気は明るそうな印象でした。
このときは、まだ普通だった
1日2.3通のやり取りを1週間程度し、まずはオンラインデートをすることなりました。
当時はコロナ下だったので、オンラインデートは普通でした。
平日の20:30、私はパソコンでZOOMにログインして待機。
「はじめまして、Aです」
「はじめまして、シュンです」
Aさんはスマートフォンから繋げていました。
ただ、気になる点がいくつかありました。
まず、明らかに家ではありません。
どこかのカフェから繋げていました。
すいません!仕事帰りでカフェにいまして!席の兼ね合いで45分しか話せないんですけど、よろしくお願いします。
45分!
まず、オンラインの提案と時間の指定は向こうからでした。
つまり、僕は相手の都合に合わせました。
まあ、仕事が忙しかったのだろうと、つづけました。
早速ですが、シュンさんは好きな自己啓発本ってありますか
初手、自己啓発本!
これまでの人生で、あいさつの次に「好きな自己啓発本」の話題を振られた記憶がありません。
滝川クリステルの「おもてなし」のように、頭にうかぶ5文字。
あ・や・し・い・な
すでに私は察しており、それっぽく受け答えしました。
真面目にカーネギー・デルの「人を動かす」ですと言っておけばよかったのだろうか。
Aさんの好きな本も聞きましたが覚えてない。
話を聞きながら、この後どのような行動をすべきか考えていました。
<頭の中>
1.「うわ、急に上司から電話」と逃げる
2.「え!他に趣味は何?」と深ぼる
3.「直接会って話したいな」と伝える
んーこれは1かなぁ。と思いながら会話を進めめした。
私、本当に結婚したくって。シュンさんって結婚願望ありますか。
おっ・・・兆しが変わったぞ。
ああ、僕はなんで愚かなんだろうか。純粋に結婚を求めている彼女。それをカフェで45分通話制限と、自己啓発の質問だけで怪しく思ってしまうなんて。
世の中、いろんな人がいよね。「はじめまして」のあとに「尊敬している有識者って誰ですか」って聞いてくる人だってきっといるだろう。そんな人を疑うなんて酷いことだ。
彼女は本気で結婚を考えているわけだから。
シュンさん、今度ご飯に行きませんか。
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予想外の展開に驚きました。
マッチングアプリをはじめてから、女性側からご飯に誘われることなど1度もなかったわけで、聞き間違いかもしれないと思ってしまいました。
テンションが高くなりOKを出しました。
ロマンス詐欺とはこういう展開からはじまるのだろう。
しかし、LINEでやり取りすることを打診すると、直接会ってから交換したいとのこと。
そのような要望は過去にもあったので、引き続きマッチングアプリ上でやり取りすることに。
ところで、シュンさんは将来のために何か資産形成されていますか
ん・・・
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雲行が一気に変わった。自己啓発からの資産形成関係の質問。いろいろ王道な流れを感じてしまっていたが、この当時は投資関係をまだやっていなかったので、素直に答えた。
じゃぁ、今度勉強しましょう!とりあえずご飯行きましょうか
ここで45分のデートが終了しました。
パソコンを静かに閉じて、お茶を一気飲み。大きく息を吐いて、頭を空っぽにしました。
「うん、これは何かしらの勧誘だな」
Aさんから早速メッセージがきた。
今度の食事ですが、12:00頃に品川駅近くにあるホテルのレストラン行きましょう。当日、私の友だちも一緒に連れて行ってもいいですか。
友達とは、、、
僕は、わざと罠にかかる鳥の目をしていた。
11:50 品川駅
Google Mapで場所を確認しながらホテルのレストランに到着。
「すでにお連れの方がお待ちしております」
店員に案内されて、店内の奥へ。
シュンさーん!こっち!
手を振るAさん、その隣には1人の女性。
(あれが、友達か)
「こちら、私の友人でOちゃん。上京してから知り合った友達なの。Oちゃん、こちらマッチングアプリで知り合ったシュンさん」
冷静に考えたら、マッチングしてはじめて会う人なのに、あたかも昔から知り合いでした風に紹介されているのが違和感すぎる。
「あ、シュンさん。このあと、私の大学の後輩が来るんだ」
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初耳でした。
え、4人でご飯食べるってなに。
ちょうどそのとき、店員に連れられて男性が現れた。30歳手前くらい、黒いジャケット姿で髪はきっちり整っていました。
イメージです。
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「大学時代の後輩です。今は、フリーランスでWeb制作やってるの」
はじめましてと、男性は席に座った。
それぞれ自己紹介をはじめ、料理を注文。
一体これは何の会なのだろうかと思うようなメンバーだった。
ここから怒涛の展開が始まるとは知らず。
「シュンさんは、普段お仕事は何をされているんですか」
男性からの質問に、私が当時勤めていた外資系のITコンサル会社に勤めている話をしました。
おそらく彼は、私がどんな仕事をしているかよりも、外資系・IT系という2つのキーワードにときめきを感じたのだろう。質問する前よりも明らかに目の色が変わっていた。
「先輩、いい人見つけましたね」
ここでいう”いい人”というのが、婚活としての話なのかに疑惑を持ってしまっている私は、すでに心が腐っていたかもしれない。
ただ、疑う心は大事だと親に教わったので、親に感謝しています。
Aさん「シュンくんは、投資に興味あるんだよね」
うん、そんなこと言ってないよね。
「将来のために今から考えています」と場の空気を全力で読みました。偉いぞ、僕。
さらに男性は目の色を変えて私を見てきます。
どうやら、ロックオンされました。
「僕はこの近辺に住んでまして、YOUTUBERの〇〇さんと同じマンションなんですよ。もともとは某銀行さんの支店長からオーナーを紹介いただいて、頭金をかなり安くしてもらって購入したんです」
僕は美味しいコーヒーに夢中でした。
すると隣にいたOさんが前のめりになって「すごいですね!」と食いついていた。こいつも仲間な匂いが急にし始めていた。
「で、そのオーナーの知り合いに不動産投資家がいるんですけど、僕はその投資家の下で2年間勉強してきました。そして、いま3件の2LDKの部屋を賃貸として貸し出しています」
「えー私も1つ部屋持ってるけど、全然儲からないんだよな。そういうの教えてほしい。航空会社辞めてから不労所得を夢見てるから」とAさんは言う。
いや、待て待て。
航空会社を辞めていたのか!?
この間、勤めてるって言ってたよな。
↑心の声です。
もういい、頼む!Oさんは純粋でいてくれ。
Oさん「私も覚えたいです!誘ってください!」
はい!みんな仲間でしたー!
こうして無事に3対1の構図が完成したわけ。
そして、男性からトドメがくる。
「シュンさんも一緒にどうですか」
僕は、Aさんの面子を守り、
すぐ断らずに、帰ってから考えると伝えた。
LINEグループを立ち上げる流れになり、「不動産勉強会」というLINEができた。
そこからはひたすら男性が仕事の楽しさについて語る時間。
合間に、不動産事業の魅力や、今まで出会ってきた人のすばらしさについて語る自己満足タイムとなりました。
「さて、ここの会計は・・・」
伝票を広げた男性が、僕のことを見てくる。
「シュンさん、我々男性陣で女性2人のご飯をごちそうしましょう」
お前、儲かってる言うてたやん!!
↑心の声
背中が急に小さく見えました。
お会計を済ませ店の外に出ました。
さて、ようやくAさんと2人っきりかな。
Aさん「それじゃあ、私は英会話教室があるから」
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ぶっちゃけ、Aさんの印象すら全くないくらい、不動産投資の勧誘にくぎ付けでした。
その日の夜、グループLINEに
「まずは、みなさん!勉強会の料金として、お一人2万円を、、」
ブローーーーーック!!!
マッチングアプリでの投資詐欺被害はニュースでたびたび取り上げられています。福井県では、アプリで知り合った女性からの誘いで始めた暗号資産の投資で1430万円騙されたという事件も発生しました。もしかしたら、本当に不動産を勉強するためのメンバーだったかもしれない。Aさんが私と結婚する未来があったのかもしれない。
ただ、怪しいと思ったら直感を信じましょう。
あなたが被害に遭わないことを願います。
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