ハイパーカジュアルゲームのマーケで改善すべき指標とその対応方法のご紹介
はじめまして!ハイパーカジュアルゲームをメインに開発・運営をしている企業にてマーケを担当している木下です。約8年ほど現在の会社にお世話になっておりまして、途中ベトナム駐在で2年ほどゲームのディレクションをしたり、最近では新規事業のPdM的なこともやらせていただいてます。
今回はハイパーカジュアルゲームのマーケが追うべき指標とその対応方法という形で紹介させていただきます。
また、私の繋がりで国内と海外のハイパーカジュアルゲーム事業をされている企業のマーケ担当の方々にアンケートご協力いただけましたのでそちらも合わせてご紹介させていただきます。
ハイパーカジュアルゲーム運営者はもちろんのこと、個人デベロッパーの方なども参考になる情報提供ができればと思います。
ハイパーカジュアルゲームのマーケ担当者の仕事とは?
マーケティングといってもいろんな切り口がありますよね。
ハイパーカジュアルゲームのマーケ担当者は基本的に下記3つを全て横断的に担当しています。
売り上げを上げる
ユーザー数を増やす
ゲーム内の改善を行う
それらの具体的な内容はこちらです。
今回はそれぞれで弊社が用いている改善方法をご紹介しようと思います。
※これらの改善が全てのゲームに共通していい結果を生むわけではありませんのでご了承ください。
eCPMを上げるための施策
eCPMとは広告が1000回表示された時に得られるであろう金額のことです。
収益性の良し悪しを判断する指標として使用します。
こちらの数値を上げる方法としては、ウォーターフォールの見直しが効果的です。
大抵のハイパーカジュアルゲームにはMAXやIronsourceなどの広告配信を上手いことやってくれるメディエーションというツールを使っています。
このメディエーションツールにて、どの優先順位でどの金額の広告を出すかを管理しています。この優先順位と金額をゴニョゴニョすることで、eCPMが上昇することがあります。こちらに関しては、オーテの目黒さんがとても詳しい内容を以前書かれていましたので、ご参考いただければ幸いです。
弊社は現状だと以下のようにリリース時は組んでます。
そして状況に応じて低いプライスや高いプライスを追加します。(最近はbiddingが増えてきてとても便利で助かってます)
Imp/DAUを上げるための施策
ハイパーカジュアルゲームでの主な収益源となる広告枠はインタースティシャル広告とリワードビデオ広告です。
弊社の場合下記の数値をベンチマークにしています。
インタースティシャル広告の表示回数 / DAU は8回
リワードビデオ広告の表示回数 / DAUは2回
※ゲームのジャンルによって変わりますので、実際のゲームの求めるLTVに達しているのであればそこまで重視しなくてもいいと思われます。
例えば、インタースティシャル広告のimp/DAUが4回だった場合、検討する施策としては下記です。
獲得CPIを下げるためのゲーム内改善
これに関しては正直かなり難しいです。
そもそもゲームの見た目の面白さが9割だと思っていますので、その面白さの邪魔になることを排除したり、逆に目立たせることが重要なのかなと思っています。
排除する施策としては、色彩などを工夫して視認性を上げることなど。
おそらく、ゲームの企画段階では「ここが面白いと思ってもらえるはず」というポイントがあるはずなので、それ自体が刺さらないのであれば新規のゲームに託したほうが効率的かもしれません。
プロモーション用クリエイティブの改善
これに関してはどれだけ多くの切り口からクリエイティブを作れるかが重要だと考えます。大きくアウトパフォームするクリエイティブは奇跡のクリエイティブ(私だけ)と呼んでいます。それくらい、出会えるのは大変です。
また直近ではtiktokでの獲得が好調でして、ハマった施策としてはTiktokでユーザーが投稿したコンテンツのような見せ方です。
下記のように冒頭にテキストだけのクリエイティブを追加することで、CPIを-50%ほど減らすことができた事例もあります。あと機械音声を入れることも効果が良かったです。
その他、弊社では下記を重視して制作をしています
リテンションを上げるための施策
多くのデベロッパーがぶち当たる問題だと思います。
いかにしてリテンションを上げることができるのか。
ハイパーカジュアルゲームを作る人間にとっては永久課題です。
弊社では下記の対応をまず検討します。
それでも難しい場合は、諦めて次のゲーム企画に活かします。
まとめ
色々と改善のためのTipsはあるものの、我々も日々試行錯誤の連続です。
こういった施策の引き出しを多くするのも、一番は他社のゲームをたくさんやることに尽きると思います。「このゲームの何が面白いのか」「なぜユーザーはこのゲームをインストールしたいと思うのか」こういったことを意識しながらゲームをすることで、自社のゲームに活かせる日が来ると思います。
またアドネットワークの営業担当の方などから、情報を共有いただくこともかなり重要です。「どんなクリエイティブが獲得できているのか」「どんなゲームが低単価で獲得できているのか」。デベロッパーよりも豊富な情報をお持ちですので、きっと価値ある情報を提供いただけると思います。
2021年のハイパーカジュアルゲーム事業者のマーケ状況アンケート
私の繋がりで、世界的に有名な国内と海外のハイパーカジュアルゲーム事業をしているマーケ担当の方々(合計7社)にアンケートをご協力いただけましたので、最後にこちらを紹介したいと思います。アンケートにご協力いただきました皆様誠にありがとうございました!
なお今回アンケートにご協力いただきました東京通信さんが採用を積極的に行われているそうです!今年上場も果たされてめちゃめちゃ脂のってます。
おわりに
いろんな情報を詰め込んだら、とても長くなってしまいました。
ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。
もし自社ではこういうふうに数値の改善をしているなどあれば、情報交換させていただけると嬉しいです!
おまけ
ハイパーカジュアルゲームの標準装備として、必要なSDKをシートにまとめましたので、ご興味があればこちらから参照してください。