息子の笑顔とこだわりへの柔軟性

息子が入院して1年3か月が経とうとしてます。強度自閉症スペクトラムと強度行動障害を持つ息子は、入院当初から比べるとだいぶ落ち着いてきたように見えます。

それでも日によって、調子のいい日悪い日がありますし、入院1年がたつまでは笑顔がほとんど見られない日が続きました。週に2回、1回あたりの面会時間はガラス越しに約15分間ですが、我々夫婦にとってはそれはそれは貴重な時間です。

今年に入ってからは、息子が大のお気に入りの歌を、動画を流しながら一緒に歌ったり、好きなキャラクターの写真を見たりして、表情も和らぐようになってきて、食べ物の質問をしたりすると時折笑顔も見せてくれるようになってきたので、我々も面会が楽しくなってきてました。

ただここ一か月ぐらいは、新しいタブレット(古いタブレットが壊れてしまったのでほぼ同じ大きさの新しいタブレットを渡しています)が慣れないこともあり、古い壊れたタブレットを持ってこいもってこいと、面会に行っても、話を聴かずそのことばかりを要求して話が止まらず、しまいには自分の要求が通らないもどかしさで、身体が硬直してしまうことが続いていました。

息子のような障害を持っていると、自分のこだわりに自分自身ががんじがらめになってしまい、苦しんでしまい、パニックを起こしてしまうケースが多くみられます。我々も長い間、息子のそうした状態、パニック行動などに悩まされてきました。

そこで何とか息子のこだわりを開放してあげられないかと家内と相談、色々と考え、壊れた同じタブレットを渡すことはできないので、今の新しいタブレットの裏面がシルバーなので、壊れたタブレットの裏面が黒だったことを踏まえて、黒のタブレットカバーを購入して、タブレットにかぶせてみようか!ということで、昨日黒のタブレットカバーを購入して本日面会に行ってきました。

本人が比較的今日は落ち着いて調子も良かったので、タブレットの件は大丈夫かなと思っていたら、「タブレットは?」と言い出したので、「こんなものが届いたぞ~!」と言って黒のタブレットカバーを見せたら、一瞬目を凝らしてじっと見て、ニッコリ満面の笑顔になったのです!看護師さんにカバーを渡してタブレットにかぶせて本人に渡したら満足したようでした。今日は、そんなことですんなり笑顔で「バイバイ!」ができて気分よく面会を終了できたようでした。

息子の場合は特に「モノ」に対するこだわりが強いので、そこでとらわれてしまうと苦しみの深みに入ってしまいます。だから目先を変えることも含めて、いかにこだわりを和らげてあげるか、ということに我々も注力しています。

普段の生活の中で、人は何らかの苦しみやこだわりに捉われて自分自身を
苦しめてしまっているケースもあると思います。そうした時に少し焦点をずらしてみて、視点を変えたり目先を変えてリセットしてみることは我々も大切ですし、何と言っても「柔軟性」が備わるとだいぶ楽になるのではないかと思います。

息子の満面の笑顔が、とても嬉しくて、ホッとしました。これからもできうる限り苦しみから解放できるように見守っていきたいと思います。




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