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新型コロナワクチン3回目投与

3回目のワクチン接種のお知らせが届き、2月1日に予約することが出来ました。1,2回目とは異なったワクチンを受けたほうが、抗体応答は良いみたいなので、モデルナを希望しましたが、掛かりつけ医ではファイザーしか選べませんでした。3回目の投与を受けるとオミクロン株に対する抗体価は上がるようですが、武漢株に比べて1/3程度の抗体価です。それでも2回投与後にはオミクロン株に対する抗体価がほとんど認めれらないことを考えると、3回目の効果はあると思われます。しかし、3回目投与の6ヶ月後にはま

    • DNAワクチンとmRNAワクチン

      今から30数年前、私は米国ミシガン州立大学の公衆衛生学部ウイルス学教室の客員研究員として、インフルエンザの生ワクチンの研究に従事していました。ある時インフルエンザの世界では有名な先生が研究室を訪ねてこられて、教授のお供で昼食をご一緒したことがありました。食事をしながらその先生は、ヘムアグルチニン(コロナのS蛋白と同じウイルス粒子表面の棘)の遺伝子DNAを発現プラスミドととしてニワトリの筋肉内へ投与すると、抗体応等を誘導することが出来るんだよ、とおっしゃいました。今から考えると

      • 新型コロナワクチン

        SRRS-CoV2による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が発生して、もう2年以上がたとうとしています。この間このウイルスはあっという間に世界中に広がり、2009年のインフルエンザに続くパンデミックになってしまいました。このパンデミックに対応するために、ワクチンが迅速に開発され使用されていることはご存知のとおりです。ワクチンには不活化ワクチンと弱毒生ワクチンがあるとお話しましたが、今回開発されたワクチンは、ウイルスベクターワクチン、mRNAワクチン、不活化全粒子ワク

        • 免疫応答

          ワクチンを投与すると、免疫応答と言う反応が体内で起きます。免疫応答には液性免疫と細胞性免疫の2種類があります。液性免疫では、リンパ球の一つであるB細胞が作る抗体という成分によって、病原体と戦います。抗体は上の図にあるように、Y字型をしており、腕が2本あります。その腕の先端で、ウイルス粒子の表面にあるウイルスが細胞に取り付く時に重要なアキレス腱となる部分に結合します。抗体に結合されたウイルスは身動きができなくなり、細胞に侵入できなくなります。 一方、細胞性免疫の主体はキラ

          ワクチンとは

          ワクチンとは、人体に免疫を与え、感染症に罹らない様に予防をするための医薬品です。病原体である細菌やウイルスを元にするので、生物学的製剤という範疇になります。基本的に不活化ワクチンと弱毒生ワクチンの2種類があります。不活化ワクチンは、培養した病原体を化学物質で処理することで感染性を失わせたもので、弱毒生ワクチンはとは異なる種の動物細胞で継代培養することで、ヒトに対する病原性を弱くしたワクチンです。不活化ワクチンにはインフルエンザ、日本脳炎、破傷風、百日せき、ジフテリアワクチンな

          ワクチンとは

          自己紹介

          私は、今ワクチン関連の個人コンサルタントをしています。農学部の学部と院で植物病理学を専攻し、植物の癌である根頭癌腫と言う病気を研究していました。Agrobacterium tumefacienceと言う細菌が引き起こす病気で、バラなどの根っこに瘤を作る病気です。 当時は、瘤が出来るメカニズムは分かっていませんでしたので、電子顕微鏡で病原細菌と宿主細胞との相互関係を観察していました。電子顕微鏡で観察すると、細菌の方からなにやら線毛を伸ばし、宿主細胞に何かを送り込んでいるような