異動先は四面楚歌、なのか・・
異動と昇進辞令の内示は、突然だった。
3月決算で、4月1日が期首。
期首と同時に新体制を迎えることが多い。
3月30日、当時の執行役員の営業本部長と
東京営業部長から、呼び出しがあった。
「4月1日の辞令で、第3営業部のマネージャーを
やってもらうことになったから。上の意向で。
頑張ってください、期待しています。」
おいおい、突然だし、内容もそんなにあっさりかよ!
もう少し具体的な話はないのか。。
ものの5分で面談は終わった。
でも、
他人に多くを求めても仕方ない、
そう自分に言い聞かせ、しっかり利益を出せる
部署にしなければ、と
想いは内に秘めた。
ただ、首都圏を担当していた営業部にいたものの、
隣の営業部とは業務における連携や情報共有は少なく、
どんな運営の仕方をしているのか、
部署としてのローカルルールがどこまであって、
個人裁量でどこまで行っているのか、
全くわからない。
それより何より、
営業の人員体制が
一番、心配。
配属当初の体制は、わたしが
30代中盤1人、
20代後半が1人、
50代後半が3人、
60代前半が1人、
営業担当が全て男性で、計6名。
そこに営業の後方支援ということで
事務を中心に業務に当たる方が40代前半女性が1人。
皆、営業職として所属部署歴は
20代を除き、20年以上。
新卒入社から一度も異動していない、という方もちらほら。
「俺なんて、30年も同じ取引先の窓口だよ~」
と言ってる方もいた。
こんなコリッコリのカッチカチのところに
放り込まれると思うと、
改めて、戦慄した。
昭和の古い体質の会社で、
中途入社組のわたしが、会社の主力営業部門に
2年いたぐらいで管理職に登用され、
先輩の中に放り込まれる、
とはどういうことか。
悪く言えば、古参の先輩からの
「かわいがり」
になりかねない。
当時、経営トップは外部人材で、
その周辺を囲む取締役や執行役員は
古参社員ばかりで、従業員から役員に
なっていった方々で構成されていた。
どうも管理職への抜擢人事は、
社内の停滞感を払拭する為の
トップダウン案件だったよう。
だから、
執行役員の本音も漏れ、
「上の意向」
という言葉となって表れた。
古参組としてはトップの意向なので
仕方なく、嫌々従ったものの
内心はおもしろくない、と
思っているようだった。
どこの馬の骨かもわからない
生意気な後輩が上司だと?
ふざけるな、俺は俺のやり方でやるよ
指図するんじゃない!
最悪、こんな感情を抱いていた方も
多かったのでは、と想定していた。
だから、全てを頭ごなしに上から
指図するようなことはしてはいけない、と
言葉遣いにも注意を払った。
自分自身も、逆の立場で頭ごなしに言われたら
素直になれないし、仮に正しいことを
言われたとしても、納得できないと思う。
何だかんだで、
人は論理でなく、
感情が先に来る。
そう考えながら、いざ、引継ぎに臨んだ。
マネージャーとして受ける引継ぎは、
とてもあっさりで驚いた。
資料をぼん、と渡され、ほぼ終了。
前任者は同じ部署の50代後半のゼネラルマネージャー(部長相当)と
同年のマネージャー(課長相当)で、
(なんで同じ部署にマネージャー職が2人もいるんだ、と思う方、
ごもっともです。マネジメントが重複している体制だったのです)
いわゆる役職定年により、役を降りたものの
名誉職のシニアマネージャーに着任され、
そのまま部署に残る形だった。
そして、前任役職者が2人残り、
閉鎖的な部署内で、かつ多数派を構成している。
これは前線からは離れたものの、
院政を敷いて、若造の好きにはさせない事が出来る
環境が整っている、という状況。
着任してから、抱いていた心配が
徐々に露見していく。。
このおっちゃんらを、どう味方につけていけばいいのか。。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
マネジメントでお悩みの方、
管理職になって日が浅い方、
上司の考えに「?」と思っている方、
カッチカチに古い体制の会社に疑問を持たれている方、
などなど。
お仕事でそんなお悩みを持たれている方に向けて
発信していきたいと思います。
きのした