古民家再生工事 ひとまず完了
いよいよ古民家再生工事も残すところあと少し。
今回は最後の仕上げ工事を中心に、ご紹介していきます。
木材の塗装工事
外壁は杉の羽目板貼りで仕上げて頂いたのですが、杉の色そのままだと、余りにも新しすぎて落ち着きが出ないので、DIYで塗装をすることにしました。下の写真は1回目の塗装作業風景。
2回塗りなので、もう一度同じ色を重ねて塗ります。古民家の色調に合うように色を選んだので、見た目が少し落ち着きました。
屋根の下地や垂木なども新しく交換して頂いたので、塗装をしていないと新旧入り混じった感じです。これはこれで中々良い感じ。塗るかどうか決めかねたので、ここは一旦そのままに。
内装の左官工事
トイレを新設してもらったので、その壁を漆喰で仕上げて頂きました。
トイレの箱の中は真っ白に。外側は周りの色にあわせて少し黄色味がかった色にしてもらい、スサを混ぜて塗ってもらいました。
念願の水洗トイレ!
今回改修して頂いたことで、立派なトイレが完成しました。床と天井には無垢の杉板を貼って頂きましたので、床には汚れ防止のため浸透性のクリアー塗料を塗装しました。
古民家の中のどの場所よりも、トイレが一番綺麗です(笑)
トイレの扉も杉板で作って下さいました。
予算がなかったので、正直「トイレくらいはベニヤでも仕方がない」と思っていたのですが、大工さんが「工期を急がないなら建具作ってあげるけど、どうする?」と仰って下さいましたのでお願いしました。
出来上がってみると、お願いして本当に良かったと思います。
屋根瓦葺き替え
解体した納屋との取り合いで、屋根が完全に傷んでいた部分には、瓦を新しく吹き替えてもらいました。元々このあたり、雨漏りが生じていて困っていたのですが、お陰様で雨漏りが完全に止まりました。
工事に入る前に、葺き師の方に建物を見て頂いたのですが、建物の前と後ろで使っている瓦が元々違っていたので、今回の工事では瓦の色味だけを合わせて選んで頂きました。
ちなみに、家の前面に使われている瓦は、今は無き明石の塩焼き瓦で、凍結に強く優れものだそうです。裏面はもう少し時代が新しい(といっても、ボロボロですが…)釉薬瓦です。
新しい壁
納屋との境に作って頂いた新しい壁は、室内側も、余った板を使って仕上げて頂きました。新しい杉板の色が綺麗なので、ここはもうこのまま。
使うのが恐ろしい程古いブレーカーは、新しいものに交換して頂きました。
そんなこんなで一応完成
業者選定、後片付け、解体工事を経ての修繕工事は、一旦こんな感じで完成です。それほど多い工事内容ではなかったとはいえ、ほぼ大工さん一人でやって頂いたので、大変だったと思います。
おまけ1 解体材
納屋を解体した時に出てきた梁材。
一部だけ修繕用に使えそうな直材は保管していますが、ほとんどの材料は処分しました。それにしても、昔の大工さんは達筆ですね。
おまけ2 床下環境改善
今回修繕工事とは関係のない部分で、大工さんが「このままじゃまずい」と指摘して下さった所が、床下です。
家の裏手は湿気が多いため、モルタルや土で家の足元にフタをしてしまっていました。しかし、フタをすることで通気性が悪くなり、却って足元の木が腐ってしまっていました。室内で底の部分を歩くと、ふにゃふにゃして床が抜けそうな感触に。(下の写真の左側がモルタルのフタです)
そこで、今回の工事が終わったあとに、モルタルや土の撤去を行いました。撤去した後、動物が入ると困るので金網を設置して、解体材の瓦で重しにしています。これによって家の足元部分に風が通るようになりました。
この作業をしたことで、部分的に進行していた白蟻の食害も止まりました。
古民家再生工事は、見えない箇所の修繕が、実は一番大切ですね。