【ここがヘンだよ!二次創作】#2 なにその表現?! 「うっそり」「くつくつ」「はくはく」
私は、自分で書き始めるまで、二次小説……つまりアマチュアの書く小説は、一切読んだことがありませんでした。
小説と言えば、誰もが知っている作家や話題作を時々読むくらい。
村上春樹とか、東野圭吾とか、宮部みゆきとか、湊かなえとか。直木賞とか、本屋大賞とか。オビをみて面白そうだったら、知らない作家でも買ってみることもあります。
あとは、好きな映画の原作小説とか。
好きな漫画の公式スピンオフ小説とか。
読まない時は、年単位で全然読まないですし、特別に読書家という訳ではありません。
二次創作も読んだことなかった。
自分で小説も書いたことなかった。
そんな私が、溢れ出る『好き』を形にする二次創作を始めて、数年でそこそこ読めるものが書けるまでになれたのは、「言葉で伝える」仕事をしているから、というのも大きいかもしれません。
小説だって言葉なんですから、
読んでもらって、なんぼ。
伝わって、なんぼ。
という気持ちで、書いています。
ていうか、
そんだけ二次創作の小説って、独りよがりな内容や表現や文章が多いな~と思うんです。
私が、二次創作ではじめて出会った「ヘンだな~」と思った表現について、バッサリと斬り捨て、ゲロゲロと毒を吐き捨てていきます。
① うっそり
うっそり微笑む。
うっそりと目を細める。
なんか、怪しい雰囲気の時に出てきます。
「うっとり」じゃないんかい?!
誤字かな?
と、はじめて出会った時に思いました。
辞書的な意味は「ぼんやり」って書いてあります。[2]の意味なんて、「うっかり」に近いんですね。
それじゃあ「うっそり」って「ぼんやり」に置き換えれるんか?
違うやろ。
置き換えるとしたら、「うっとり」やろ。
エッチなことする前に「フフ……」って顔してることやろ。
……やっぱり、それは「うっそり」じゃなくて「うっとり」やろ。はい、雰囲気、雰囲気。
② くつくつ
くつくつ笑う。
くつりと笑う。
なにそれ。聞いたことない。
クラムボンかよ、宮沢賢治かよ。
「ククッ……」「クックックッ……」って笑うことを、くつくつ笑うって言うの?
……他にもいくつか意味がありましたが、
基本、古語ですね。
狂言とか詩吟とかで出てきそうな言葉です。
つまり、大きな声と独特なリズムで、
「くつりぃ~、くつりぃ~」
③ はくはく
はくはくと口を動かす。
はくはくと息を吐く。
これに至っては、辞書にもない。
だいたい、口を「ぱくぱく」してることなんですかね。
エッチなシチュエーションで、余裕なく責められた時、「はくはく」するんですよね。
「ハァハァ」言うこと?
「ハッ……、ハッ、ハ……、……ぁあっ」
とかそういう感じ?
ふ~ん、ベンリナコトバデスネー。
私が、二次創作ではじめて出会ったこれらの表現は、二次創作でしか出てこない。
しゃべり言葉として使っているのも、聞いたことがありません。
再度言いますが、私は読書家ではありません。
だから、別にこれらの言葉に私自身が馴染みがないだけで、商業作家の本にも出てくるのかもしれないし、話し言葉として使っている人もいるのかもしれません。
なんとも思わない人は、なんとも思わないのかも。
ただ、私は出てくるたびに
「でたー!!!!」
と思って、とりあえず笑います。
そして、これらの言葉を多用する方が書いたものは、基本ソッ閉じ案件になります。
「雰囲気」で書いてる。
と感じてしまうからです。
厳しいかもしれませんが、気になるし、目につくんです。
きっと、私の仕事柄でしょう。「伝える」ことを仕事にしているから、「伝わらない」ものが、嫌いなんです。
「伝える」ことは、面白いです。
「伝わる」ことは、気持ちがいいです。
二次創作でしか出てこない言葉を、あまりにも当たり前のように使われると、排他的な印象を受ける……ということもあります。
まるで「こんな言葉も知らないの?」と言われているみたい。
「知らねぇ~よ!」と思うのですが、そこは大人なので、その場で騒ぎ立てたりはしません。『ふぅ~ん』と思って、ただ読まなくなるだけ。
とは言え、新しい言葉は、使用することによってどんどん生まれていく訳ですから、気に入っているなら広めるためにもどんどん使ったらいいんじゃないですか。
私は読まんけど。
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