オンサイトってなに?
こんにちは。クライマーのKinnyです。
最近は指導者がいないクライマーが増え、岩場に行くと、
トップロープノーテンで登って、オンサイト!と叫んでいる若者
を時々見かけます。
オンサイトは伝統的にリードで登った場合に使うもので、トップロープでは、オンサイトとは言えず、
トップロープノーテン
と言いますが。ノーテンは、No Tensionの和製英語で、英語圏では通じません(笑)。海外では、トップロープクリーン、という言い方をします。
スタイルを教える人が少なくなり混乱しているクライミング界…。
世界のトップクライマーの平山ユージさんがご機嫌な対談に答えていましたので、良い内容だと思ったのでご紹介します。
■ お勧め☆ 山岳医 「たけちゃんねる」
こちらのチャンネルの中にありました。
さすが、医師だけあり、知的に優れた人であることがうかがえます。ボルトやプリクリップ、海外での、各岩場の倫理観の温度差、など、的確に紹介されています。
その中の一本として、平山ユージさんの動画が挙げられていました。
■ スタイル情報が乏しい日本クライミング界
ちなみに、オンサイトはTheCragサイトでは、このような定義をされています。
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I led this route, without falling or resting, on my first attempt without prior inspection or beta.
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翻訳
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私はこのルートを、事前の下見も、ベータもなく、初めての挑戦で、フォールも、レストもなく、リードした。
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ベータというのは、事前情報のことです。たとえば、右のカチに手が大きいと指がかからないよ、とか。
私にとっては、レストもダメ、ってのが意外でした。
しかし!このサイトを調べていると、トップロープに解説欄にオンサイトという欄があることを発見しました(汗)。トップロープでオンサイト、という言葉を使うのは、私は、間違いだと教わりましたが…現に海外のクライミングサイトで、分類にあります(汗)。
https://www.thecrag.com/en/article/ticktypes
さて、日本ではスタイルの紹介が遅れているので、一般的な外岩クライミング(クラッギング)におけるスタイルを紹介します。
上記のオンサイトに加えて…
1)フラッシュ オンサイトの次に良いスタイル
初挑戦で、フォールもレストもせずに、このルートをリードしたが、事前のインスペクションやベータを使った。
2)レッドポイント みんなが良くやっているスタイル
私はこのルートをフォールすることなく、レストすることなくリードした。
3)ピンクポイント 支点がプリセットされている
私はこのルートを、フォールすることなく、レストすることなく、しかし初めての試みではなく、あらかじめ配置されたギア(リピートを含む)を使ってリードした。
4)グリーンポイント
私はトラッドギアを使ってスポーツルートをオンサイトした。
5)ハングドッグ
私はこのルートをリードしたが、レストしたり、途中でフォールしたりした。一般的に、頂上まで登ろうとして失敗したときに使われる。
■ 考察
日本で使われる意味とちょっと違うところが少しあります。
例えば、ハングドッグが長いことは、日本ではたぶん執着心によって努力している証とされ、肯定的に受け取られると思います。しかし、20分なら、ともかく、2時間もハングドッグするとなると、ビレイヤーもくたびれるし、クライミング能力の向上に効率的とは言えないかもしれませんね。
またグリーンポイントは、スポーツルート(ボルトルート)をカムで登ることですが、日本では、残置無視、という言い方がされ、より良いスタイルと解釈されることが多いと思います。
海外では、逆かもしれませんね。カムの信頼性が上がっているので、自分でカムを設置したほうが、古いボルトで登るより、より安全性が高いです。日本の感覚では、カムのほうがボルトより信頼性が低いという前提になっているかもしれません。
ピンクポイントとレッドポイントは、本当はどうなのでしょうか… プリセットされた支点と言う意味では、プリセットされた既存のボルトに、テンションすることなく登ったら、レッドポイントではなく、ピンクポイントなのかもしれませんね。 現状は、レッドポイントと一般的に数えられていると思います。
ピンクって、日本では、カムをあらかじめ刺しておくことについて言われることが多いです。
またグリーンポイントという言葉を使っているクライマーには、まだ会ったことがないです。
以上、クライミングのスタイル情報と考察、トップクライマー談話のお知らせでした☆
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