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忍耐力でする禁煙が失敗する理由

禁煙8日目となりました、煙草やめ太郎です。
今日は禁煙失敗の話です。

昨日の記事の通り、今回の禁煙は強い意志で始めたものでした。
妻の精神障害に立ち向かう姿勢に感化された事。
今やめられなくて、いつやめられるんだ?という決意に満たされました。

しかし、その禁煙はたったの3日で断念せざるを得なくなりました。
自己嫌悪と失望感、無力感に包まれて挫けそうになりました。
何か禁煙に対する理解や手順に誤りがあったのではないかと思いました。
その結果考え出した禁煙法で現在8日目となっています。
今回はその経験を元に、失敗した原因を伝えられたらと思います。

そもそもの私の喫煙習慣は以下の様なものでした。
・朝食後に1本
・仕事に行く前に1本
・就業前に1本
・退勤後に1本
・帰宅後に1本
・夕食後に1本
・皿洗い後に1本
・子供を寝かしつけた後に1本
・その他もあり
大体1日に10本前後。
吸う際の傾向は『仕事へのプレッシャー』と『家事などの隙間に』が多いと思います。
出勤してからは喫煙可能な場所までの移動が手間な事や、職場での喫煙者の肩身が狭い事から我慢していました。
就寝中は8時間ほど、仕事中は10時間ほど、毎日煙草を絶っている時間があったという事です。

禁煙を思い立った時、まずは自分の力でチャレンジしようと思いました。
禁煙外来の力を借りる事も選択肢にありましたが、自分には禁煙ができるという自信があったのです。
もし無理だったら病院に頼ろう、まずはなんとか自分で頑張るんだ。
そんな風に頑張ろうと強く思う事も、今考えたら良くない事だったと思います。

具体的にどの様に禁煙しようか考えました。
禁煙には2つの依存があると考えます。
ひとつは体の依存、ニコチンを欲するものです。
もうひとつは精神の依存、決まった習慣ができないと不安になるものです。
喫煙者には、この両方の依存を一度に克服するのは実現不可能なチャレンジに思えます。
私も多分に漏れず、2段階で禁煙しようとする間違った禁煙法に足を踏み入れたのです。

禁煙外来での禁煙法も基本的には2段階となっているかと思います。
ニコチンを摂取できる薬などでまずは精神の依存からなくしていくというものですね。
私の考えた禁煙法はそれとは逆のものでした。

・ニコチンレスのアイコスカートリッジを用いまずはニコチンを抜いていく
・離脱症状は出ても喫煙の行動を行っていることで耐えられるだろう
・安心のために今までの煙草は残しておく
・外出時も耐え切れない禁断症状に備えて今までの煙草は持ち歩く
・まずはいち早くチャレンジする事が大事
・経過に合わせて『臨機応変』に最適化して行こう

第一の誤算は、ハーブを使用したニコチンレスの代替品が非常に臭いという事でした。
カレーのスパイスのような強い匂いで、加熱式煙草より何倍も気になってしまいます。
結果、外では極力吸わないようになりました。
当初は煙草の習慣は変わらずに続けるつもりでしたが、これにより仕事の前後の習慣を我慢することになります。

今回強い意志で禁煙を始めたので、ニコチンへの離脱症状は超えられると信じていました。
しかし、思っていた以上に離脱症状は辛いものでした。
頭がぼーっとして意識がもうろうとし、膝や体全体に倦怠感があり歩くのも億劫になる感覚。
この辛さと仕事後の解放感にはどうしても勝てず、毎日1本だけ吸うようになってしまいました。
この方針転換にも『まずは減煙だけでも確実に行えている』とポジティブに捉えました。
ただ、禁煙においてこの『臨機応変』は悪手でしかないと後に気付きます。
状況に合わせて行動を変えるという事は結局のところ『1本だけ吸う』という事にしかならないからです。

毎日毎日離脱症状の苦しさは大きくなる印象を受けました。
禁煙開始以前は仕事中に10時間我慢していたのが24時間になったからかもしれません。
倍以上我慢している辛さ、1日中離脱症状を耐えている気持ち。
それが、吸えない悲壮感を際立たせていたのではないかと思います。

そして、ようやく吸える煙草の価値は以前とは比べ物にならないほど貴重なものとなっていました。
煙草ってこんなに美味しかったんだ、と錯覚を覚えます。
こんなに辛さを取り去ってくれる煙草がたったの1本25円だなんて!と。

気付きました。
このまま禁煙が成功したとして、煙草への欲求を『一生耐え続けられる』だろうか?
この禁煙法では、煙草を尊い物と『美化』してしまっていないか?
自分の好きな物を『根性』と『忍耐力』で断とうとしている。
この先の人生で大きな困難にぶつかった時、また煙草にすがってしまうのではないか。

この禁煙法はそもそも大きく間違えていたのだと気付きました。
忍耐力でする禁煙は、煙草をより尊い物に変えてしまいます。
根性でニコチンが抜けた後も、一生忍耐を強いられる人生となるのです。


また、禁煙の失敗を感じた時に安堵にも似た感覚が体中を駆け巡りました。
失敗したんだ、一旦退いて戦略を練り直そう。
それは、喫煙者に戻ろうという自分を納得させる誘惑でした。

禁煙の難しさはここにあると思います。
意志や根性の問題ではない。
あの手この手で結局吸える状況に落ち着こうとしてしまうのです。
それは依存や中毒というより、洗脳という言葉がしっくりくるものです。
誘惑する自分も、それに抗う自分も、1本だけならという落としどころを目指してしまうのです。

そして、喫煙している時は離脱症状が消失しますので代わりにひどい自己嫌悪感に襲われます。
なんでこんなものがやめれないんだ、と悲しくなってしまいます。

この失敗、とても悔しく恥ずかしく失望感に苛まれました。
でも今考えればこれは必要な失敗だったと思います。
今回の禁煙にはやめたいという気持ちだけでなく『妻の勇気』への敬意がありました。
妻と会話する度に『失敗したけどこれで終わりじゃないぞ!』との気持ちが蘇ります。

すぐに禁煙に対して調べ、さまざまな知識を得ました。
その過程で1冊の本にもたどり着き読みました。(本の紹介はしません)
それらから産み出した禁煙法でただいま8日目となっています。

禁煙に一番必要なものは『洗脳を除去する事』だと思います。
次に『離脱症状に打ち勝てるシステムの構築』です。
まだ8日と始まったばかりですが、この2つだけでうまくいく事を証明していきたいと思います。

次回は失敗の後に学んだ事を書きたいと思います。

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