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うつ病患者は、辛そうにしているべきだ

うつ病になった。

西加奈子さんの本の中で、彼女はこんなことを言っていた。
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胸の奥がぎゅっとつかまれているような、はっとさせられるような感覚に陥った。私も、同じことを思っている。
休職している人はおとなしくしているべきだし、うつ病になっている人は悲しそうにしているべき。
そう思っていた。けど変わった。
なんて言えればいいけれど、本心を言うと、今もそう思っちゃっている。
常識とか固定観念とはなかなか厄介で、ずっとひっかかっている。

そう思っていると何かしんどいかというと、自分を認められない。こんだけ客観してきている私ですらしんどいのだから、普通の人なら相当だろう。
でも、普通に考えて、うつ病だから楽しくしちゃいけないってわけじゃないのはその通りなのだろう。
なかなか寝れなくて部屋の天井をじっと見つめている夜も
寝たら寝たで、書くのすらはばかられるほどの悪夢を見た夜も
(私の場合は、しんどいのは夜が多い)
それもあるっちゃあるが、どちらかというと、病気になってからは幸せな瞬間のほうが多かった。
彼女と同棲を始めた。家族と話し合った。
山に登り、美術館を漁り、自分の特性とも向き合った。
久々に、こんな一心不乱に勉強したと思う。勉強が楽しいと思えたのはこの期間の大きな収穫だった。
ちゃんと進んでいく感覚がある。英単語を一つ覚えたとき、それは一つ覚えなかったときの自分よりも確実に一歩進んでいるわけで。
たくさんのことを知りたい、という自分の性質を感じることができた。
(一度気づいていたはずなのだけど、こういうのは時に感覚が隠れてしまうからたちが悪い。)

認めてあげたい自分。とはいえひっかかっている自分。
西加奈子さんは住んでいる国を変えることでその二面性と向き合った。

私はどう向き合うのか。
常識はセーフティネットになりうる。だから大事にしたいのかな。

いや、そんなのはうそだと思う。
認めて、とんがる。そうなりたい。

信じぬくことしかないのだ。

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