見出し画像

WRCウィーン大会初日を終えて23位 ※無料記事

【自分が間違えそうだから相手に間違えてもらう】


 あと30分ぐらいで試合が始まる。多少あわただしいが、トーナメント初日の麻雀の話をしたい。

 初戦から三連勝したのだが、最初から絶好調というわけではなかった。

 転機になったのは以下の局面。

 發を暗槓して69ソー待ちでリーチを掛けたのだが、ピンフのみで蹴られた。
 「あ、これちょっと具合悪くなりそう」と思った次の局、以下のテンパイが入った。

四五六八八①②③779西西西 ドラ⑨

 西は役牌ではないので役無しテンパイ。8ソーが1枚切られている以外はノーヒントだが、多少マンズが安いので、アガるなら八萬かなと思い、私はシャンポンリーチを選択した。
 
 これ、プロのリーグ戦ならリーチは掛けない。とりあえずシャンポン待ちにして、七萬を引いたら、もしかしたらリーチするかも、という程度のしょうもない手だ。

 でも、WRCは一発・裏ドラがある。それに、緒戦でみんな緊張している。こっちを日本人のプロだと思っているから「ちゃんとしたリーチを掛けるだろう」という先入観も持っているだろう。
 
 しかも、前局に勝負手を蹴られているので、そのままズルズルと相手のペースにされたくない。
 
 待ち取りが難しく、間違えそうな気がしていた。
 
 以上の理由からリーチを掛けたのだった。

ヤミテンにした上に、待ち取りで裏目ったら最悪である。
 
 たとえばシャンポンに受けたのに8ソーをツモったらひどい。だいたい相手にアガられてしまうだろう。
 
 だから、相手にも間違えてほしくて、勇気を出してリーチを掛けたのだった。

 そしたら、まず8ソーをツモった。
 
 でも、相手はベタベタとオリてくれた。たまたま、押し返す手が入っていなかったのだろう。もしかしたら間違えてくれたのかもしれない。だとしたらラッキーだった。

 結局、八萬ではなく、アテにしていなかった7ソーをツモった。
 裏ドラが1つ載って、1,300・2,600点のアガリになった。

 ここから調子が良くなった。
 手がバンバン入るようになり、トップになった。

 道中「これはアガれそう」というリーチを掛けた。

二五六七七八九①②③③⑤北 ツモ④ ドラ③

 絶好の牌を引いてテンパイした。二が重なりそうだと思って置いていたが、1枚切れの北タンキ待ちでリーチを掛けた。
 
 それまでのリーチに対し、字牌は結構、打たれていたので、出アガリが期待できると思っていた。

 が、なかなか出ない。二萬を2回もツモった。
 九萬をツモり、その後六萬もツモった。
 さんざん、アガリを逃した。
 
 終盤、突然、対面が押してくる。

 あれ? と思ったが、流局した手を見てしびれた。

1112335678999

カン4ソー待ちの九蓮宝燈だった。

 と、ここで試合開始10分前になった。続きは後ほど。



(了)

ここから先は

0字

黒木真生の記事が読めます。2024年5月1日以降の記事が全て読めます。 掲示板で会話できます。

スタンダードプラン

¥1,280 / 月

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?